鹿児島で最初に「レカネマブ」による治療を始めた女性を半年ぶりに取材しました。 （夫・70代）「（妻が）『油を買ったか』と、カートの中にあるのに、そのぐらいのレベルまで（落ちている）」「この治療があって、この程度で済んでいるのかな。僕の話は理解できるし会話はふつうにできる」 （アルツハイマー病の女性・70代）「私は自分で一生懸命色々やってるつもりですが、夫から見ると、全然昔とは違うっていうことなんでしょう。今はもう24時間一緒にいてくれる」 治療開始から9か月、副作用もなく36回の投薬のうち半分を終えました。症状の進行は日々感じながらも、体の変化以上に心の負担が軽くなったと家族は話します。 （夫・70代）「（9ヶ月前に治療はじめて）光明の光が少し差し掛かった、うれしかったのを今でもはっきり覚えている。前はそうじゃなかった。嫌で嫌で、治療日かというような感じだった、どこかに（治療に）やっぱり頼ってる自分がある」 希望が見えた一方で、アルツハイマー病の家族を支える中で感じた「周囲に理解してもらえない現実」を明かします。 （夫・70代）「なかなか一般社会にまだ受け入れられていない、社会との共生を切に願う。人それぞれに症状の出方は違うと思うが一番辛いのは、社会との接触がうまくいかない」 社会の高齢化が進み、誰もが当事者になりうる、認知症。新薬の登場で治療の選択肢が増えていく一方で、私たち一人一人が病気への理解を深めることも大切です。 21日は世界アルツハイマーデー、天文館では街頭活動も予定されています。