静岡・鈴木知事、斉藤国交相と初面会 リニア工事、岐阜の水位低下へ「指導」要請
鈴木康友知事は4日、国土交通省を訪れ、就任後初めて斉藤鉄夫国交相と面会した。静岡県が静岡工区の着工を認めていないリニア中央新幹線トンネル工事について、リニアの整備効果や必要性に言及した上で「水資源や環境の問題と両立させなければならない」と指摘。岐阜県内の水位低下問題に触れ、「(JR東海に対し)国からも指導してほしい」と要請した。 鈴木知事は面会後の取材で「大臣とは旧知の仲。会うことに支障はない」とも述べた。国との対立姿勢を強めた川勝平太前知事との違いを鮮明にし、関係構築を急ぐ意向を強調した。 リニアを巡っては国交相と前知事の面会が長く行われず、斉藤氏も2021年10月の就任以降、静岡県知事を個別に大臣室で迎えるのは初めて。斉藤氏は冒頭の公開部分で、モニタリング会議設置などを例に「国も関与しながら一緒に議論している。リニア推進について国交省としても協力をお願いする」と求めた。 鈴木知事は面会後、「(リニア整備は)防災や日本全体の経済効果も含めて大変重要なプロジェクト」との認識を示した。岐阜県内の水位低下問題に関しては「信頼関係醸成のため、しっかり内容を流域に説明しないといけない。大臣からもJRに伝えると返事があった」と明らかにした。 今後はまず、関係者との直接の意見交換を通じて信頼関係を築くと説明。「プロジェクトのキーマンに会って国、流域市町、JR、県との4者が連携しながら課題に取り組む」との考えを示した。同日は4者による新たな協議体設置など、具体的な取り組みの提案はしなかったという。 鈴木知事は5日にJRの丹羽俊介社長と面会する予定。7日には沿線都県で組織する期成同盟会の総会に出席する。
静岡新聞社