全国高校駅伝 女子・聖カタリナ初陣42位、八幡浜46位 男子・松山商45位
男子第75回、女子第36回全国高校駅伝は22日、京都市のたけびしスタジアム京都発着のコース(男子7区間42・195キロ、女子5区間21・0975キロ)で行われた。愛媛勢の女子は、四国地区枠で初出場の聖カタリナ学園が1時間13分37秒で42位、八幡浜は1時間14分24秒で46位だった。男子の松山商は2時間11分23秒で45位。 今回から都道府県代表47校に地区代表11校が加わり、男女とも58チームで争われた。男子は佐久長聖(長野)が2時間1分33秒で2年連続4度目、女子は長野東が1時間7分27秒で2年ぶり2度目の優勝を果たした。 男子の佐久長聖は大牟田(福岡)と終盤まで競り合い、最終7区で石川が区間賞を獲得する力走で振り切った。大牟田は24秒差で24年ぶりの優勝を逃し、仙台育英(宮城)が3位だった。 女子の長野東は1区で真柴がトップに立ち、そのまま逃げ切った。仙台育英が18秒差で3年連続となる2位、大阪薫英女学院が3位に入った。 【女子レース経過】四国地区代表の聖カタリナ学園は、初陣を42位で終えた。1区の1年井門が34位と流れをつくり、その後順位を落としたが、最後は踏ん張った。 県代表の八幡浜は中盤以降2年生が粘って46位。序盤49位と出遅れたが、3区三宅が3人をかわし、4区岡田はチーム最高の区間34位の走りを見せた。 【初陣聖カタリナ、笑顔の42位 「最高に楽しかった」】 初の都大路は「最高に楽しかった」。四国地区代表枠で出場し、42位でレースを終えた聖カタリナ学園。順位もタイムも目標には届かなかったが、メンバーは充実感から一様に笑顔を見せた。 レース前は緊張と不安が高まっていた。大会直前、最長距離の1区(6キロ)を走る予定だったエース上岡紗代が体調を崩し、復帰したのは3日前。1区に1年の井門萌を起用し、2区(4・0975キロ)に上岡を回すオーダー変更を余儀なくされた。 その井門が力を発揮した。「監督から21分を切れたら十分と言われていた」。元々潜在能力が高く、20分56秒でたすきをつなぎ、チームに勢いをつけた。上岡も病み上がりの不安がある中「(井門)萌が早くたすきをつないでくれた」と力を尽くした。 チームは成長を続けてきた。11月の県予選は優勝した八幡浜と39秒差の2位で県代表にはなれなかったが、四国大会では10秒差まで迫り、地区代表枠を獲得した。主将の中村海心は「八幡浜の存在があったから頑張れた」と明かす。 駅伝チームの部員6人中3人が3年生。来年の県予選について、中村は「今年以上にいい記録を狙ってほしい」と期待を向ける。井門は「八幡浜の19連覇を阻止したい」と県代表の座の獲得を誓った。(宇都宮理恵) ◆全員がよく頑張った◆ 【聖カタリナ学園・竹本英利監督の話】 体調不良者が出て完璧な状態でなかったが、全員がよく頑張った。1区井門が流れをつくってくれた。1時間12分台で38位という目標はかなわなかったが、選手たちをねぎらいたい。 【八幡浜 感謝の46位】 18年連続出場の県代表八幡浜は46位。2区を走った主将の3年小野琴実は「全員が力を出せた。みんなが都大路に連れてきてくれた」と感謝を口にした。 チームの調子は上がっていたが、体調不良者が出てオーダーを変更。繰り上がりで全国初出場となった4区の2年岡田凜は「緊張したけど楽しかった」と1人をかわし、3区の2年三宅わかばも中継映像を見て「必死に頑張っている仲間の姿が力になった」と3人を抜いた。 今年6月、チームには諦めムードが漂っていた。県総体の中長距離種目で誰一人上位に入れず「駅伝も県予選連覇が途切れるかもしれない」。そんな雰囲気を小野が一蹴した。練習量を例年より増やし、夏合宿でも小野と向井理子の3年生コンビは弱音を吐かなかった。チームを引っ張る小野を後輩たちは慕った。「私たちこそ3年生に都大路に連れてきてもらった」 来年の県予選19連覇へ向け、小野は「伝統を力に変えて、後輩たちにはまた都大路に戻ってきてほしい」と思いを託した。(宇都宮理恵) ◆力を出し切り完走できてよかった◆ 【八幡浜・倉田茂監督の話】 6人しか部員がおらず、体調不良者が出たため選手は危機感を持っていた。力を出し切り完走できてよかった。全国のレベルと厳しさが分かったと思う。この経験を今後に生かしてほしい。 【男子レース経過】松山商は中盤に2、3年生が巻き返し、45位でフィニッシュした。 48位でたすきを受け取った3区の梅木が奮起し、4人を抜いて44位に押し上げた。4区田中は同区間の県勢最高記録の力走でさらに二つ順位を上げ、たすきをつないだ。 【松山商 前向く45位】 都大路での県勢最高タイムを持ち、5年ぶり出場の松山商は45位。主将の3年赤尾優斗は「先輩がつくった記録は素晴らしいものだと実感した。これからにつながる大会だった」と前を向いた。 3、4区で奮起した。4区の田中総司は「県予選で足を引っ張ったので、恩返ししたかった」と同区間の県勢最高記録の力走を見せた。3区梅木新太は向かい風の中、単独走にも持ち前の冷静さでリズムを刻んで4人をかわした。 2人が力を発揮したのは赤尾の存在が大きい。チームは凡事徹底を心がけ、赤尾は率先して行動に移した。部員の中で一番遠くに住んでいるが、毎日一番早く練習に来た。3年間休むこともなかった。田中と梅木は「チームの軸。しっかり引っ張ってくれた」と絶大な信頼を寄せる。 赤尾は「基本を徹底すれば今より強くなれる」と後輩にエール。梅木は「チーム全員で今年のリベンジをする」と気合を入れた。(宇都宮理恵) ◆今持っている力通りの結果◆ 【松山商・浜田定幸監督の話】 今持っている力通りの結果。主将の5区赤尾が1年間チームを引っ張り、それに3区梅木と4区田中が結果で応えてくれた。1、2年生は経験を糧にして努力をし続けてほしい。
愛媛新聞社