中日2位の西濃運輸・吉田聖弥、関西大・金丸に「負けない」 同学年で同じ左腕「同期で頑張れるのはうれしい」
◇24日 プロ野球ドラフト会議 supported by リボビタンD 思わず涙がこみあげた。「苦しかった。いろいろな方に支えられた。自分一人じゃ乗り越えられなかった」。中日ドラフト2位指名の吉田聖弥は西濃運輸に入社してからの4年を振り返り、思わず言葉を詰まらせた。 最速149キロの直球に加えチェンジアップや落差のあるカーブが武器で、社会人ナンバーワン左腕の呼び名の高い。しかしドラフト解禁イヤーとなった昨年は左肩などの故障の影響で引退も頭をよぎったという。そこから力で押すだけのピッチングスタイルから状況に応じた攻め方をできるようにモデルチェンジ。それが功を奏し今季の都市対抗予選では4試合で計27イニングを投げて32奪三振、防御率0・00の投球をみせ、一躍脚光を浴びた。 そんな吉田が大切にしている言葉は「感恩報謝」。中学生のころにたまたま本で見つけた四文字熟語に心を打たれた。「恩を受けた人に最高の恩を持ってお返しするという意味です」。初めてつくったグラブにも刺しゅうした。お世話になった方々にまずは「プロ入り」という形で報いることができた。 プロ入りまで1年長くかかった分、ドラフト同期は同学年の大学生になる。1位は同じ左腕の関西大の金丸。「自分もすごいなと思っているし、そういう投手と同期で頑張れるのはうれしい。負けないように頑張りたい」と切磋琢磨(せっさたくま)しながら共闘していくつもりだ。あえて数字的な目標は一切口にしなかった。「やるべきことをやっていくだけです」。そこに意思の強さを感じさせた。
中日スポーツ