英中銀、金利5.25%で据え置き-利下げ支持に近づく委員が増加か
(ブルームバーグ): イングランド銀行(英中央銀行)は20日、政策金利を5.25%で据え置くと発表した。より多くの政策委員が利下げ支持に近づいていることを示唆し、夏の終わりまでに利下げが実施されるとの期待を後押しした。
議事要旨によれば、9人の金融政策委員会(MPC)メンバーのうち何人かにとって利下げ見送りの決定は「微妙なバランス」に立つものだった。
トレーダーはこれを、中銀が今後数カ月のうちに利下げに踏み切るシグナルと受け止め、短期金融市場で見込まれる8月の利下げ確率は会合前の32%から50%超に上昇。年内の利下げ幅の見通しも43ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)から48bpに拡大した。英国債は上昇し、ポンドは下落した。
トレーダー、英初回利下げは8月を有力視-当局者が緩和の用意を示唆
MPCは7対2で据え置きを決定。ディングラ委員とラムズデン副総裁が利下げを支持した。しかし、サービス価格のインフレが驚くほどの強さを示した最近のデータの重要性については、多数派の据え置き支持者の間でも意見が分かれた。
ベイリー総裁を含む一部メンバーが、昨年9月以来据え置かれている金利の引き下げに近づいている可能性がうかがわれる。ガイダンスの正式な変更はなかったが、一部の支持者の論調は金利据え置きがぎりぎりの決定だったことを示唆しており、8月には利下げ支持に回るメンバーが増える可能性がある。
TJMヨーロッパの金融機関向け外国為替営業担当、ニール・ジョーンズ氏は「明らかにハト派的な据え置きだ」と語った。「ベイリー総裁の論調は、一部メンバーが利下げ支持に近いことを示唆している」と話した。
議事要旨によれば、一部メンバーは最近のデータについて「経済が歩んできたディスインフレの軌道を大きく変えるものではない」との考えだった。これは、経済に重くのしかかっている金利の引き下げに踏み切れることに、当局者らが自信を深めていることを示唆する。