【解説】「自民全敗」で岸田政権の今後は… 首相、都知事、立憲民主党…それぞれの「不安」とは?
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28日に行われた衆議院の3つの補欠選挙で、いずれも立憲民主党が勝利し、自民党は3敗となりました。これについて、政治部官邸キャップの平本典昭記者とお伝えします。 森圭介キャスター 「それでは平本さんに、次の3つの『不安』について解説してもらいます」 1.岸田首相の不安 2.小池都知事の不安 3.立憲民主党の不安
■3敗で求心力低下…でも加速しない“岸田おろし”の動き
森キャスター 「まず『岸田首相の不安』とは、どういうことでしょうか?」 平本典昭 政治部官邸キャップ 「1番大きな不安を抱えているのは岸田首相です。“岸田おろし”が加速するのでは?という不安を抱えているからです」 「3敗で求心力の低下は避けられません。ある閣僚経験者は『次の選挙は岸田首相では戦えないということが共通認識になった』と、自民党幹部の中からも『首相が辞めるしかない』といった声すら、出ているんです」 森キャスター 「岸田首相の責任論ということになると思いますが、“岸田おろし”の動きは一気に進むと考えていいのですか?」 平本キャップ 「となるかと警戒しながら取材していますが、その動きは広がっていないんです」 「そのワケの1つ目は、敗因は岸田首相1人ではなく『執行部全員の責任だ』という声が出ていることです。ある幹事長経験者は『いまの自民党は「表紙」だけ、岸田首相だけ変えても意味がない』という指摘もしています」 「2つ目は、有力な『ポスト岸田』が見えてこないことです。石破さん、上川さん、小泉さん、河野太郎さんと名前は出るものの『この人こそポスト岸田』という顔が見えてきません」 「さらに岸田おろしを仕掛ける動きも表だっては出てきていません。ある首相側近は『派閥がなくなったことで、政局を仕掛ける原動力がなくなった』とも言っています。求心力は低下しているものの“岸田おろし”の動きが一気に加速しない『奇妙な安定』を保っているといえます」
■小池人気にもかげり? 国政復帰は…?
森キャスター 「続いて『小池都知事の不安』とは、どういうことですか?」 平本キャップ 「これは『小池人気にもかげり?』という不安です。今回、東京15区では小池知事が主導する形で都民ファーストの会は乙武氏を支援しましたが5位と惨敗しました。『小池知事の選挙の強さ』にかげりが見えてきた、との指摘もあります」