新型肺炎拡大 平田、練習試合相次ぎ中止 「今できることを 」 /島根
<センバツ2020> 新型コロナウイルスの感染拡大で、19日に阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で開幕する第92回選抜高校野球大会に出場する平田(出雲市)が練習試合の相次ぐ中止を余儀なくされており、「ぶっつけ本番」で甲子園に挑む可能性が出てきた。選手たちはゲーム勘を磨く場がない状況に戸惑いながらも、「甲子園での校歌」を目指して調整を続ける。 【動画】センバツ出場校、秋季大会熱闘の軌跡 平田は全校生徒参加で2日に開くはずだった壮行会を中止。4~8日に予定していた愛媛遠征は出発を6日に変更し、ここで組んでいた練習試合2試合は中止になった。11日に宿舎のある大阪市へ出発する予定だが、これも流動的。大阪入り後に行うはずだった3試合のうち2試合は既に中止が決まっている。 ◇「仕上げ方工夫」 最後の対外試合は約3カ月半前の昨年11月17日、熊毛南(山口県)との練習試合までさかのぼる。植田悟監督は「他校との真剣勝負だからこそ見える課題があり、対外試合ができないのは不安材料。甲子園への仕上げ方を工夫しないと」と頭を悩ませる。アウトカウントや走者の状況を設定した上での守備練習に時間を割き、自分たちの過去の試合の映像を分析して戦術に生かすことも検討するという。 2月28日に県は部活動の原則中止を決めたが、全国大会を控える場合は例外という。とりあえず練習は継続できるものの、選手たちからは不安の声が漏れる。正捕手の三島毅輔選手(2年)は「練習と実戦では投球は全く違う。ピッチャーをできる選手が多いので、本当は多くの選手のボールを練習試合で受けたいが……」と話す。 保科陽太(ひなた)主将(2年)は「通常は練習試合を通して連係プレーの精度を高めるが、練習ですり合わせるしかない」としつつ、「他の出場校も同じような状況に苦しんでいる。練習での連係強化や体調管理など、今できることを徹底したい」と前を向く。【鈴木周】