【米ドル円】東京海上アセットマネジメントが振り返る…8月第1週の「米国経済」の動き
政策金利は据え置きに
FRBは7月30日、31日に開催したFOMCで、政策金利であるFF(フェデラルファンド)レートの誘導目標レンジを、8会合連続で5.25~5.50%に据え置くことを決定しました(図表8)。 政策金利の据え置き自体は事前の予想通りであり、注目すべきはパウエルFRB議⻑の記者会見で、9月利下げの可能性が示唆されるかが焦点となりました。 声明文における景気認識は、労働市場の軟化を示す経済指標を映じて、雇用の勢いは「力強い」から「緩やか」へと変更されました(図表9)。 インフレについては、4月以降のインフレ鈍化を受け、「高止まりしている」から「やや(somewhat)高止まりしている」に変更され、2%の物価目標に向けた「いくつかのさらなる進展があった(some further progress)」との表現に改められました。 今回の声明文における焦点であった金融政策に関する表現については、「引き続きインフレリスクに注意を払っている」とのインフレ抑制を優先したシングルマンデートから、「デュアルマンデートの両方(インフレ、雇用)に対するリスクに注意を払っている」段階に移行したことが示されました。 FOMC後の記者会見で、インフレの見通しについて問われると、パウエルFRB議⻑は「PCEのデータにも好ましい状況が示されており、インフレの先行きに対する自信が高まっている」と述べたうえで、 「肝心なのは、労働市場がより急激に悪化することを心配しているのかということだ」 と労働市場の鈍化にも注意を払うべき状況となったとの考えを示しました。 また、 「政策金利を引き下げるのに適切な時点に近づいている」 「期待しているデータを入手できれば、利下げは9月会合から検討できる」 など、9月の利下げ開始を意識した発言が多く、8月、9月公表の雇用統計や物価統計が極めて強い内容とならない限り、市場参加者が予想する通り、9月からの利下げ開始が正当化されると考えられます。 市場では、11月や12月の会合で連続利下げに動くとの見方も強まっています。年内利下げの確度を測るうえで、ジャクソンホール会議(8/22~24)などのイベントが、重要な情報発信の場となることが予想されます。 東京海上アセットマネジメント ※当レポートの閲覧に当たっては【ご留意事項】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『【米ドル円】東京海上アセットマネジメントが振り返る…8月第1週の「米国経済」の動き』を参照)。
東京海上アセットマネジメント株式会社
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