ピエール瀧、『凶悪』で共演の小林且弥監督の初監督作品で主演 オファー受けた理由で笑わせる「殺したはずの舎弟から」
ミュージシャンで俳優のピエール瀧が19日、都内で行われた主演最新作『水平線』の完成披露舞台あいさつに参加した。 【動画】俳優復帰後初主演作への思いを明かすピエール瀧 本作は、福島県のとある港町を舞台に、大切な人ときちんとお別れできないまま立ち止まってしまった、ある親子の物語。主演の瀧は、震災で妻を失い、心に傷を抱えたまま、高齢者や生活困窮者を相手に散骨業を営む主人公・井口真吾を演じ、真吾の一人娘で、水産加工工場で働く奈生役は栗林藍希が演じる。 監督は本作が長編映画監督デビューとなる小林且弥。2013年に白石和彌監督『凶悪』で瀧が演じるヤクザの舎弟役で共演し、意気投合。自身初の監督作品となる本作へと発展した。瀧はオファーを受けた経緯について「『凶悪』という映画の中で僕は小林くんを撃ち殺すですけど、殺したはずの舎弟から『主演をやってくれ』って言われたら断りにくいなと」と笑わせる。 「それは冗談として」としながら「小林くんから『主演をやってくれませんか』って話があるので、小林くんが映画を作りたい側のマインドを持ってるというのは、全然知らないというか、気がついてなかったんです。その小林くんが役者の方を一旦置いといて、こういう長編の映画を撮りますっていう時に僕のところに直接電話がかかってきて『瀧さん、主演をやってくれませんか』ということを言ってもらったんです」と振り返る。できる役かを判断した上で快諾。「監督として、初監督作品って、一生に1本しか作れないんです。で、それの主演を僕に頼んできたということは、これは絶対にやるべき案件。力になれることがあるんだったら、ぜひ、という感じで」と口にしていた。 続けて瀧は「初監督作品の主演を名指しされるってのは、非常に光栄なことだと思うし、全力で臨むべきことだなと思いました」と明かす。小林監督は「瀧さんに真ん中に立っててほしいなっていう自分の思いがあり。作品でこういうものをずっと撮りたいなっていうところと、やっぱり頭の中にずっと瀧さんっていうのがいて。だから、作品と瀧さんという役者がなんか寄り合っていった。だから、どっちが先かっていうのがあんまりなかった」とオファーの裏話も明かしていた、 3月1日からテアトル新宿、UPLINK吉祥寺、関西では3月8日からシネ・リーブル梅田、UPLINK京都、3月9日から元町映画館、名古屋は3月23日にシネマスコーレで上映。ほか全国で順次公開する。 舞台あいさつには、栗林藍希、足立智充、内田慈も参加した。