「自粛のせいに絶対したくない」高校ダンス部選手権出場への決意と道のり【#コロナとどう暮らす】
生徒の絆とたくましさ~昨年ビッグクラス優勝校 帝塚山学院ダンス部~
帝塚山学院高校は、昨年の夏の公式全国大会ビッグクラス部門の優勝校です。コロナ禍の影響を受け、帝塚山学院では今年2月下旬から6月中旬までダンス部の活動を制限せざるを得ない状況にありました。数カ月の間を生徒たちはどのように乗り越えてきたのでしょうか、顧問の先生に話を伺いました。思う存分に部活動が出来ない状況の中、インターネットを使ったリモート環境での練習を通し、チーム力は向上していったと言います。 山浦さん(帝塚山学院ダンス部顧問): 普段は練習で体を動かすことに重点を置いているんですけれど、リモートだと、こういう悩みがあるんですとか、私こういう風に思っているんですとか、こういう練習のやり方の方が効率が良くないですかとか、個々に生徒同士のやりとりが増えて、いつもよりも絆が芽生えるのが非常に早かったように思います。なので、クラブが始まって再開した時には、もうすでにチーム力向上した状態で始められたのは、このコロナ禍においての利点だったのではないかなと感じています。 私は顧問として、夏の大会がどうなるかっていうのも、もちろん分からなかったですし、そう思っているうちにオリンピックとか甲子園とかインターハイが次々に中止になっていったんですね。その中で「リモートクラブ、頑張れ」なんてちょっと言える状況ではなくて、でも子供たちはもう本当に純粋に大会があると信じて、もしあるんだったら「絶対に全力でやりたい」「手は抜きたくない」と言ってくれて、本当に生徒の方が肝が座っているというか、私は逆にその生徒の頑張りを見て、ポジティブに考えられるようになったので、生徒からもらうパワーっていうのは非常に強いなと感じました。 もう本当にあの子たちがいなかったら、私はコロナの状況をちょっと乗り越えられてなかった。素晴らしいですよね、高校生のパワーって本当に。熱いものがあると思います。
2020年 夏の全国大会を開催するまでの道のり
「日本高校ダンス部選手権」は、一般社団法人ストリートダンス協会が高校ダンス部を対象に2008年から開催し、今年で13回目を迎える大会です。初回の出場校数は二桁程度でしたが、ダンス人気とともに徐々に出場校数は増え、今年は全国から740校が参加する大会にまで成長しました。コロナ禍の影響を受ける中、主催者として今年度の大会をどのように運営しているのか、話を伺いました。 栗原さん(一般社団法人ストリートダンス協会専務理事): 3月に本来は新人戦を予定していたのですけれども、延期の上、最終的には中止にしました。そして、この夏の大会ですけれども、これは地域によっても多少違いますが、地方大会は映像審査に切り替えました。会場の方では、演技以外では必ずマスクを着用していただく。それから手の消毒、検温、あとは選手の皆さんは会場で見ていただく形をとるんですけれども、他校との接触を避けるための誘導や待機場所をしっかり確保するなど、本当に生徒さんの安全が第一ですので、そこはしっかりと策を講じております。 今年はちょっと減ったんですけれども、それでも7割、8割の学校がエントリーしてくれたので、やはりみんな「踊りたい」という気持ちは変わらず持ってくれているところがすごく嬉しいなと思っています。そして、ダンス部のクオリティーがこの十数年で恐ろしくアップしました。登美丘高校のバブリーダンスが一世風靡しましたが、あれを見ていただいても分かるように本当にあのレベルなんですね、それはもう登美丘高校に限らずなんですけれども、「(本当に)高校生なのか」と目を疑うほどレベルの高い学校がたくさん出てきました。 【出場する生徒たちへのメッセージ】 栗原さん: 皆さん本当に、時間のない中でいろいろ制限のある中での作品づくりというのは、本当に大変だと思います。想像を絶するものだと思いますが、その皆さんの努力、必ず作品に込められているものになるでしょう。そして見ている側にもかなり訴えかけるものになると、私は想像しているんですけれども、当日までですね、どうか健康には、体には本当に気をつけて、協力してくださる先生方、ご家族の方に感謝をしつつ、日々練習に励んでください。そして当日、元気な皆さんにお会いできることを楽しみにしています。頑張ってください。