トランプ氏、スーザン・ワイルズ氏を女性初の大統領首席補佐官に起用…最側近の選挙参謀
【ワシントン=田島大志】米大統領選で勝利した共和党のトランプ前大統領は7日、新政権の大統領首席補佐官にスーザン・ワイルズ氏を起用すると発表した。首席補佐官に女性が就任するのは初めて。トランプ陣営の選挙対策本部長を務めた最側近の選挙参謀を政権運営の要に据え、政権の安定を図る。米メディアには、選挙戦で訴えた不法移民の大規模な強制送還を実行する考えを示した。
ワイルズ氏は選挙戦略の専門家で、これまでフロリダ州のロン・デサンティス知事の知事選での選対チームなどを率いてきた。2016年と20年の大統領選でも、トランプ陣営で選挙戦略を担当するなど長年トランプ氏を支えてきた。現在は広報コンサルティング企業の幹部を務めている。
トランプ氏は声明で、ワイルズ氏を起用する理由について「史上最大の政治的勝利をもたらしてくれた。過去2回の選挙でも欠かせない存在だった。タフで賢く革新的で、誰もが称賛し尊敬している」と説明した。
2017~21年の第1次トランプ政権では首席補佐官が更迭などで次々と交代し、元共和党全国委員長のラインス・プリーバス氏や退役海兵隊大将のジョン・ケリー氏、共和党元下院議員のマーク・メドウズ氏が務めた。
一方、トランプ氏は7日、米NBCニュースのインタビューに応じ、大統領選の公約の目玉だった不法移民対策を就任後の最優先課題とする考えを示した。
トランプ氏は「国境を強固なものにしなければならない」と述べ、不法移民の大規模な強制送還は「他に選択肢はない」と強調した。
今回の大統領選では、敗北した20年の前回選に比べてヒスパニック系や若年層から厚い支持を受けたと指摘し、「民主党(の政策)が国民の考えに沿っておらず、地殻変動が起きると考えていた」と語った。
インタビューでは、選挙後に約70か国の首脳と電話会談したことを明らかにした。石破首相のほか、中国の習近平(シージンピン)国家主席、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相らと電話で会談したことが明らかになっている。
◆大統領首席補佐官(White House chief of staff)=ホワイトハウスを統括する要職で、日程調整や面会者の管理などを担う。議会や省庁との政策調整にも携わり、政権運営に大きな影響を与える。