「臭みがない」と高評価…地下水で育てた「薩州サーモン」をウナギに続く養殖の柱に 薩摩川内鰻が年間4万匹の生産目指す
鹿児島県薩摩川内市の薩摩川内鰻(佐藤光信社長)が同市宮崎町のウナギの養殖用いけすを活用し、新たに育ててきたトラウトサーモンの出荷が8月中旬に始まった。ブランド名は「薩州サーモン」。成育は順調で、ウナギと並ぶ柱の事業になると見込んでいる。 【写真】出荷のため「薩州サーモン」をいけすから上げる従業員=26日、薩摩川内市宮崎町の薩摩川内鰻
同社は1月に200グラムほどの種苗1500匹を仕入れ、42基のいけすのうち2基を使って養殖してきた。現在は2.5~3キロに育ち、主に関東のホテルや飲食店用に向けて順次出荷している。一部は県内にも流通する。 いけすは豊富な地下水を活用した掛け流し式で、バイヤーからは「臭みがない」と評価が高いという。同社は今後養殖を本格化させ、年間4万匹の生産を目標にする。敷地内に8基のいけすを新設中で、11月に種苗1万匹を仕入れる。 稚魚の採れる量にばらつきがあるウナギに対し、人工ふ化ができるトラウトサーモンは安定しているのが特長だ。 村上哲也専務(51)は「刺し身やカルパッチョなど人気は高く、もっと生産してほしいという要望は強い。ウナギに続く事業の柱になり、地元の特産品としてさらに育っていくだろう」と期待した。
南日本新聞 | 鹿児島