ファイターズ移転の現実 巨額の赤字は解消できる?「負の遺産」「もったいない」の声も 札幌ドーム
想定以上の赤字に陥った札幌ドームに市民は… (70代女性)「いやすごいなと思いました、赤字額が6億でしょう?せっかく作ったんだから。あれはやっぱり維持して、ちゃんと使っていかないともったいないんじゃない」 (70代男性)「もうちょっと使い方を考えればって思うんですけれども。負の遺産て言っちゃうとね、残念ですけど、さみしいですね」 (40代女性)「使う機会がない。みんなファイターズの試合がある時はファイターズの試合で行く場所ってイメージだったから、それがなくなると何に使っているのかなみたいな」
こうした中、札幌ドーム周辺では新たな施設が建設される予定です。 アクセスサッポロの後継施設である大規模展示場と新月寒体育館です。 札幌市は新月寒体育館を札幌ドーム敷地内に建設した場合、3つの施設の運営を一体化することも選択肢のひとつとして検討しています。 (秋元克広札幌市長)「スポーツイベントやコンサート、あるいは展示場にしても、営業がかぶってしまうような効率が悪い状況というのは想定されますし、全体のエリアをマネジメントしていくことを考えていかなければいけないと思っています」 (札幌ドーム 山川広行社長)「同じようなイベントをやっているので、ノウハウがあるでしょうけど、我々もノウハウがあるので協力しながらできる気がする」
今年度は黒字の見込み…にぎわい取り戻すカギは?
こちらは2022年6月に札幌市が公表した収支見通しですが、23年度で赤字となるものの24年度からは黒字に転じ、27年度までの5年間トータルでも黒字だと見込んでいました。 しかし、23年度の赤字は6億5100万円と大幅に下回る形となりました。 それでも山川社長は今年度、当初の試算通り3100万円の黒字になると見込んでいます。
今後、にぎわいを取り戻すことはできるのか。 スタジアムやアリーナについて研究する専門家は、いまの札幌ドームについて体制を抜本的に変える必要があると指摘します。 (追手門学院大学 上林功准教授)「施設運営の仕組みが2002年から止まっています。第3セクターは化石みたいになっていますから、そこからまずメスを入れる方がいいのではと思います。最近は、指定管理者に対してコンセッション方式(運営権を付与する方式)といわれるものが出てきています。運用の決定権を民間事業者に渡して、代わりに民間事業者はそれに対する対価を払うような形で、市にもお金が入ってくるし、民間事業者は工夫によって自分で利益を上げるような仕組みができつつあるような感じです」