蜂がブンブン飛び交う“日本一危険な祭り”に参加して最高にウマい「蜂の子料理」を味わってきた #食楽web #蜂の子料理
米をつぶしてふわっとまとめてあるもちがおなかに優しく、炭火で炙った香ばしさに、食欲を刺激されまくりです。あっという間に1本ペロリ。ヘボがブンブン飛び交う中でほおばると、「お仲間を食ってゴメンよ……」という、食物連鎖の罪悪感がほんの少し湧き出てきますが、それもまた味わいのスパイスかも。
ヘボの味わいをしっかり堪能したいなら、甘露煮を食べない手はありません。小エビを甘辛く煮つけたような味わいに、「これはお酒が欲しくなりますね~」と同行のスズメバチ仮面ヒロポン氏。 「成虫の外皮のパリッとした食感と幼虫のクニャリとした歯触りが心地よく、口にいれた瞬間は甘露煮の甘じょっぱくて香ばしい味がガツンと来たあとに、ヘボ独特の甲殻類とナッツを合わせたような風味がきます」 さすが、ハチマニアの食レポ。ヒロポン氏が言うように、蜂の子(ヘボ)は独特の風味があります。それが魅力であったり、人によっては苦手だったり。
しかしこのヘボごはんは、配合のバランスが控えめに言っても最高。出汁をきかせたごはんに2割くらいの分量でヘボを混ぜこむことでいい塩梅に香りがフワッと広がり、ハチのクセが逆にいい仕事をしています。ヘボが具というより、調味料的な印象です。まさに黄金比。昆虫食歴15年にして本当に美味しいヘボごはんに出会えたように思えます。 胃袋をつかまれる祭りというのは、満足度がハンパないですね。「虫! キャ~!」という声が聞こえず、来場者がごく普通に食べている環境も、特筆すべきポイントでしょう。 さて腹ごしらえをしたら、ここからが本番。食材の「ビフォア」をじっくり拝見しなくては。
ヘボ愛好家が育てた蜂の巣を競うコンテストも必見
会場の隅にはビニルハウスが設営され、トラックで巣箱が運び込まれていきます。ビニルハウス内では愛好家たちが丹精こめて育てた3キロ越えの巣が次々と取り出される、圧巻の光景が展開されるのです。
巣箱に着火した煙幕を放り込むと、ヘボは気絶。しかし動けるヘボもいるので、蓋を開けるとワーッと飛び出し、テント内を飛びまわったり、力尽きて地面に落ちたりする。 巣箱から取り出したヘボの巣は、まるで天然のミルフィーユ。5~8段ほどの巣版に、六角形の巣穴が並び(ハニカム構造)、そこに幼虫やサナギがぎっしりつまっている。 テントの中は、煙幕で巣から逃げ出した成虫でびっしり。テントの外にも一部逃げていき、会場を飛び回る。 普通の服装でテント内外をウロウロしていたら、「そんなカッコしてたら刺されるで!」とヘボ愛好家の方々から防護服を着せていただいてしまった。安心安全にヘボの世話をできるこの服は、ヘボ食を支える重要アイテムの一つでもある。 巣箱から取り出した巣は手早くビニールにつめ、コンテストのために計量する。