米金融緩和への賭けが記録的水準、大幅利下げなければ損失リスク
(ブルームバーグ): 米連邦公開市場委員会(FOMC)による18日の利下げを見込んで記録的な賭けに関与しているトレーダーらは、当局が標準的な規模の利下げを決めた場合、手痛い損失を被るリスクを負っている。
ブルームバーグの集計データによると、投資家が今週のFOMC会合の結果予想で利用するフェデラルファンド(FF)金利先物10月限の未決済建玉は80万枚弱と、1988年の同先物上場以降では、同種の取引では最も極端な水準に急増。これらの新たな賭けの大部分は50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の大幅利下げを見越したもので、今週設定されたポジションの急増が含まれる。
FOMCがFF金利誘導目標の引き下げに着手すると見込まれる中、投資家の間では最初の利下げ幅と引き下げの余地が議論の中心となっている。
先週の早い時期には、FOMCはまず25bp利下げを行うという見方が優勢だった。だが、ここ数日のメディア報道や、当局がより積極的な措置を容易に決める可能性があるとのダドリー前ニューヨーク連銀総裁の発言を受け、状況は大きく変化している。
今週の決定を前に50bpの利下げについて市場が織り込む確率は現在50%を超えている。一方、最近の米国債相場の大幅上昇により、利回りは急激に低下し、米2年国債利回りは今週、2年ぶり低水準の3.52%をつけた。
ソシエテ・ジェネラルの米金利戦略責任者スバドラ・ラジャッパ氏は、FOMCが小幅な利下げに踏み切り、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が段階的なアプローチを示唆した場合、市場は売り圧力に見舞われると予想した。
ラジャッパ氏は「FOMCが50bpではなく25bpの利下げを実施した場合、市場の反応はより強くなる」と述べ、「ポジショニングや楽観論、金融状況の緩和といったストーリーが試されることになろう」と語った。
チャールズ・シュワブのチーフ債券ストラテジスト、キャシー・ジョーンズ氏は「すでにかなり積極的な価格設定」がなされていることを考えると、米金融政策に敏感に反応する米短期国債がどんな反応でも最も大きな打撃を受ける可能性があると指摘。「25bpであれば、最初の反応として10bpや15bpは簡単に戻る可能性がある」と付け加えた。