【ラグビー】帝京大に戻った自信「しんどくなったら俺を見ろ」青木恵斗主将 明大圧倒で暫定首位
<関東大学ラグビー対抗戦:帝京大48-28明治大>◇17日◇東京・秩父宮ラグビー場◇観衆8461人 帝京大が4連覇に望みをつなぎ、暫定首位に浮上した。開幕5連勝だった明治大を圧倒して5勝1敗。3トライ差以上の勝利によるボーナス点を含め、勝ち点6を積み上げて31とした。1試合消化が少ない早稲田大を、勝ち点1上回った。 悪夢を振り払った。ちょうど2週前、3日に秩父宮でぶつかった早大戦で17-48と完敗。この日、明大に敗れれば、4連覇の望みが絶たれていた。前年度の全国大学選手権決勝の再戦。フランカー青木恵斗主将(4年=桐蔭学園)は「しんどくなったら俺を見ろ」と準備段階から繰り返し伝え、キックオフ直前のロッカー室でも仲間に告げた。 立ち上がりから勢いは生まれた。前半6分、自陣からBKで左に展開し、WTB生田弦己(3年=御所実)が快足をとばして先制トライ。14-0の同23分には味方の防御ライン突破を皮切りに、フランカー青木がトライを決めた。青木はボール争奪戦でのジャッカルなど存在感を示し「前回の試合で負けてしまったけれど、そこに対して自分自身はネガティブではなかった。ぶれることなく、いつも通りにできました」と胸を張った。 前半で33-7と主導権を握り、後半も2トライ1ゴールで着実に加点した。左腓骨(ひこつ)の負傷から復帰したFB小村真也(4年=ハミルトンボーイズ高)もランや味方との連係で存在感を示し「前回負けて『みんなの分も頑張らなアカン』という気持ちがありました。グラウンドに立てない100人以上の部員がいる中で、自分の気持ちを出せました」。好タックルでも強い思いを体現した。 最終戦は30日の筑波大戦(秩父宮)となる。対抗戦4連覇は他力だが、青木は「1つ1つレベルアップして、大学選手権決勝に向けて、絶対に優勝できるように準備したいです」と2カ月後を見据えた成長を誓う。王者が自らの手で、自信を取り戻した。【松本航】