抗うつ剤を飲み始めた変化に不安を抱いたら?治療中のモヤモヤを晴らすために必要なこと
うつに「ならない」人はいない
あなたは「うつ病になる人」にどんなイメージを持つだろうか。 真面目、几帳面、神経質、完璧主義、過労、ストレス……。 だが、うつに「なりやすい」性格はあったとしても、「ならない」人はいない。 現に、自分は几帳面でも神経質でもない、あふれる好奇心とやる気が持ち味と自認していた、ハラユキさんはなった。 【漫画を読む】抗うつ剤を飲み始めたら体に変調が!最初に考えるべきこととは ハラユキさんとは、『誰でもみんなうつになる』(ハラユキ著 / KADOKAWA)の著者で、イラストレーター&コミックエッセイストだ。 2022年の秋、「最近ずっとだるいし、やる気が出ない」と感じたハラユキさんは、まさか自分がうつになるなどとは思わず、まずお祓いにいく。 だが病状はもちろん良くならないどころか、自身が恵まれている環境にあり、楽しいことをしてきた後でも、自分の意志とは関係なく涙があふれる状態に手も足も出なくなり、精神科の受診を決める。 前編「几帳面でも神経質でもない自分がなぜ…うつと診断されるまでに感じた違和感」ではハラユキさんが自身のうつを疑うまでのとまどいや混乱を、中編「私ってうつなの? 『今すぐ”メンタル系の医療機関”に行くべき』2つの症状」では日本人にはなかなか抵抗がある精神科の受診だが、それでも「病院に行くべき」ポイントや病院選びのコツを、精神科医の先生の指南で描いている。 後編では、念入りに選んだ病院で適切なカウンセリングを受けたハラユキさんは、「軽度のうつ」と診断される。
抗うつ薬で体調が悪化した理由は
だが処方された抗うつ薬を飲み始めると、ハラユキさんの体調はさらに悪化した。 「抗うつ薬の副作用⁉」そんな考えもよぎったハラユキさんは、処方された薬を自ら詳しく調べてみる。 職業柄、以前ハラユキさんが取材した精神科医の先生によれば、うつの治療に投薬は標準的な治療のひとつだという。治療で処方された治療薬は基本飲んだほうがいいが、「薬をあまりに多く出す医師」も「どんな病気でも、どんな患者でも、全員に全く薬を出さない医師」は要注意だという。 だがハラユキさんの担当医は、そのどちらでもなかった。 また本から得た情報などと照らし合わせても、先生の診察に疑う余地は見当たらない。 ではいったいどこからくる苦しさなのか。 答えの出ないまま気持ちも落ち込んでいくハラユキさんの不安を描いている。 うつの治療で投薬が必要だとわかっていても、治療薬を常飲することの不安や依存症への恐怖は、誰もが持つものだ。 だがハラユキさんは必要以上に恐れることなく、冷静に判断し、結果的に適切につきあっていくことができた。 以下、そんなハラユキさんへのインタビューと漫画の試し読みをお伝えする。