「仕事に行き詰まったら“人”を見る」アクセンチュアのマーケコンサルが大切にしている「生活者視点」とは
┌────────── 未知の業界への転職を恐れる人もいるかもしれません。しかし、僕にとっては新たな知見を得られることが刺激であり、喜びでもあります(松原氏) └──────────
■ [ルール2] 一人十色、ライフ起点でユーザーを多面的に捉える 松原氏は現在アクセンチュアのソング本部に所属し、大手製造業メーカーのマーケティング支援を行うプロジェクトの横断リーダーを務めている。仕事をするうえで大事にしていることが「ライフ起点でユーザーを捉える」ことだという。 ┌────────── 商品を購入してもらいたいと考えると、ターゲットをどうしても『購入者』として捉えがちです。しかし、商品の購入だけでなく、購入後にどう使うのか、一日をどんな風に過ごすのかなど『一人の生活者』として捉えることを大事にしています。人はさまざまな顔をもっていて『一人十色』です。多面的にお客様を捉えることで施策の幅が広がり、質も上がっていきます(松原氏) └────────── ライフ起点でユーザーを捉えた場合、施策はどのように変わるのだろうか。松原氏はECサイトで靴を販売しているA社を例にして語る。 ┌────────── 靴の通販でサイズが合わなかった場合は、返品して別の商品を受け取る手間が何度も発生します。そこで、A社は顧客に近いサイズの靴を0.5刻みの3足を一度に送り、合わなかった靴を返品してもらう手法を取っていました。 しかし、ライフ起点で考えると最近はエコやSDGsへの関心が高まっています。これまでの方法に対して『毎回返品という仕組みは手間がかかるし、環境によくない』と思うお客様も増えていたのです。こうした観点から『このメーカーの靴ならこのサイズが合うのではないか』と購買情報を分析し、商品発送の仕組みを変えることで、1足だけをユーザーに届けられるようになりました(松原氏) └──────────