堺雅人8年ぶり映画主演「平場の月」 50歳の等身大ラブストーリー 共演は井川遥
俳優の堺雅人(51)が映画「平場の月」(来秋公開、土井裕泰監督)に主演し、50歳男女の大人のラブストーリーに挑むことが17日、分かった。「DESTINY 鎌倉ものがたり」(2017年)以来8年ぶりの映画主演。35年ぶりに再会した中学時代の同級生とのリアルな恋愛を、繊細に描き出していく。 19年の山本周五郎賞を受賞した朝倉かすみさんの同名小説が原作。映像権をめぐっては発売当初から30社以上のオファーがあり、満を持しての映画化になる。 堺は妻と別れ、地元の印刷会社に再就職した青砥役。ドラマ「半沢直樹」「VIVANT」などの強烈なキャラクターから一転、つつましく平穏に生活する等身大の実年男性を演じる。 青砥が中学時代に思いを寄せていた須藤を演じるのが井川遥(48)。夫と死別し、パートで生計を立てている須藤は、はかなく切なさを感じさせる女性。互いに独り身となり、様々な人生経験を積んできた2人が再会。30年以上の時を埋めながら心を通わせていく。 堺は「原作の世界が素晴らしく、豊かなので、ぐいぐいと引き込まれ、何度も何度も読み返しました。原作に登場する場所で撮影し、原作ファンとしては聖地巡りのような、夢のような日々が始まったと感じています」。役どころについては「撮影が始まり、役としての井川さんと出会って、須藤の横にずっといたいという気持ちが強くなりました」と明かした。 「半沢直樹」以来5年ぶりに堺と共演する井川は「懐が深く、温かくて包み込んでくれるような方。年齢を重ね、またご一緒できることを楽しみにしていました」と喜んだ。「この年齢になったからこそ分かる気持ちが原作にあふれ、温かさや切なさも同時にあるこの本を、いとおしく感じました。芯の強さ、意地らしさ、ささやかな幸せをかみ締めている感じを大切に演じたい」と意気込んだ。 〇…堺にとって、土井監督は早稲田大学演劇研究会の先輩にあたる。「ずっとご一緒したかったので、念願かなってとなります。土井監督は物腰が柔らかく、丁寧に説明してくださり、役者が伸び伸びと動けるようにしてくださる印象。監督のおっしゃった通りに動きたい」と謙虚な姿勢。井川は「役の持っているもの、にじみ出てくるものなど丁寧に教えてくださるので、監督についていきたい」とやる気を見せた。
報知新聞社