天皇杯で名古屋撃破した新潟の専門学校の金子俊也監督「必ず勝てる」新潟のルヴァン杯初Vに期待
名古屋グランパスの倒し方、教えてください!!全国で唯一のサッカー総合専門学校JAPANサッカーカレッジ(JSC)の金子俊也監督(39)が、同じ聖籠町を活動拠点とし、11月2日のルヴァン杯決勝(東京・国立)に臨むアルビレックス新潟のクラブ初タイトルに期待した。JSCは6月12日の天皇杯2回戦で、新潟が決勝で対戦する名古屋を1-0で撃破。J1から数えて「5部」相当の北信越1部に所属するチームでジャイアントキリングを起こした指揮官に、強敵攻略法を聞いた。【取材・構成=小林忠】 ◇ ◇ ◇ 「僕なんかではおこがましい」と謙遜する金子監督を口説き、名古屋から大金星を挙げた天皇杯2回戦を振り返りながら、新潟にエールをもらった。 「(名古屋が)リーグ戦のメンバーで来ないだろうとルヴァン杯の試合を研究していました。ただ、狙いを持って来るところは変わらないだろうと対策しました」 名古屋の3-4-2-1のシステムに対し、まずは守備でリズムを作り試合をコントロールした。 「ミドルブロックを形成しながら、深い位置を取り過ぎては押し込まれるので最終ラインは高めに設定。サイドから中央に折り返されたところに対しては強くプレッシャーに行こうと。相手選手、ベンチの表情を見て『うまくいってない』というのは感じました」 サイドから人数を掛けてペナルティーエリア内に流れ込む攻撃に対応。ボールを奪った後は両ウイングバックの背後を狙いスライドのズレを突いた。攻守で先手を取り、後半6分、FW上元が右クロスをファーサイドで合わせ決勝点を奪った。 「得点シーンは各Jチームから絶賛されています(笑い)。クロスは相手が準備する前の段階でDFとGKの間に入れようと。FWはスタンディングで待つのではなく、タイミング良く入って行こうと共有しました。横からの配球はポイントの1つになると思います」 ルヴァン杯決勝は互いの信念をぶつけ合う好ゲームになることを期待する。 「各局面での駆け引きが一番の楽しみ。アルビさんはボールを持たれる時間帯にクロスを上げさせないのか、それともしっかりと中央を固めて(クロスを)跳ね返すのか。スピード、高さへの守備対応がポイントになるかもしれませんし、セットプレーも警戒が必要です」 名古屋の速攻に警戒しつつ、新潟が築き上げるパスサッカーを展開すれば勝機はあると話す。 「ゴール手前に押し込みながら機動力と個を使い分けて相手を揺さぶり、どう仕留めるのか。長所が出せれば、ある(優勝)と思います」 今年は帝京長岡高が全国高校総体3位、新潟医療福祉大が総理大臣杯準優勝、JSCが全国社会人選手権優勝。各カテゴリーの全国大会で県勢の活躍が目立つ。 「トップリーグにいるアルビさんがタイトルを取れば新潟県のサッカーのさらなる発展にもつながる。持っている力を引き出せれば必ず勝てると思っています。是非、突き抜けて優勝してほしいです」 ◆金子俊也(かねこ・しゅんや)1985年(昭60)7月26日生まれ、埼玉県出身。新座陣屋キッカーズでサッカーを始める。新座中、西武台高、関東の大学を経て一般企業に就職も、社会人3年が過ぎ「本当にやりたいことがしたい」とJAPANサッカーカレッジ(JSC)のコーチ・審判専攻科(2年制)に入学。卒業後は福井県でコーチ業をスタート。14年にJSCの職員となり、22年にトップチーム監督に就任。現役時代はGK。22、23年新潟県国体成年男子監督。 ◆JAPANサッカーカレッジ JリーグクラブやWEリーグ、日本サッカー協会と強いネットワークを持つ日本で唯一のサッカー総合専門学校。トップチームは北信越1部に所属。10月の全国社会人選手権で初優勝し、JFL昇格を懸けて戦う全国地域チャンピオンズリーグ進出を決めている。高等部は男女とも全国総体、全国選手権出場経験がある。