海底に沈む戦闘機「紫電改」の引き揚げ保存に力を貸して…調査進める住民有志が支援募る「戦争の記憶を伝えたい」 クラファンも検討
1945(昭和20)年、第一国分基地(鹿児島県霧島市)を飛び立ち、同県阿久根市脇本の海に沈んだ戦闘機「紫電改」の調査を、住民有志が進めている。既に残骸が見つかっており、メンバーは引き揚げや機体の保存を目指しており、広く支援を募りたいという。 【写真】脇本海岸近くの海底で確認された紫電改の残骸(肥本英輔さんのブログから転載)
紫電改に搭乗していたのは、林喜重大尉(神奈川県出身、戦死後少佐に昇進)。同年4月21日、林大尉は米軍のB29編隊と出水上空で交戦し、1機を撃墜したが阿久根市脇本海岸近くに不時着、戦死した。後年、海岸の近くに慰霊碑が立てられた。機体は放置されて風化し、いつの間にか姿が見えなくなったという。近年は存在を知らない人も増えた。 出水地域の住民らでつくる「紫電改・林大尉機を後世に遺す会」が今年4月、ダイバーによる潜水調査を実施。海岸から250メートルほどの海底で、エンジンなど機首と見られる部分を確認した。7月にも再び現地調査を試みたが、海が荒れて水がにごり、機体を見られなかった。 肥本英輔会長(69)は「貴重な遺産である機体を引き揚げて保存し、戦争の記憶を伝えたい」と語る。クラウドファンディングで支援を募ることも検討中。肥本会長のブログ「furusato1954のブログ」で調査の状況などを報告している。
南日本新聞 | 鹿児島