【大学野球】2年連続大学日本一の青学大 「管理したくない」…強さの源にある“自主性の文化”
就任時からブレない「日本一を目指す」
安藤監督は勝負師である。チームに植え付けたのは「勝ちたいではなく、とにかく負けたくない」。就任した2019年1月からブレないのは「日本一を目指す」こと。当時は東都大学二部リーグに低迷しており「大学職員の前で抱負を語った際にも、失笑されました」と振り返る。活動している以上、頂点を目指す。「迷ったとき、悩んだときには原点に戻る」。「日本一」は心の拠り所であったのだ。 主将・佐々木泰(4年・県岐阜商高)は「監督は選手以上に動き、鼓舞してくれる。ありがたいです」と信頼感を語る。就任以来、安藤監督は寮で学生たちと寝食をともにする。縛りつけることを最も嫌う。管理するのではなく、先輩として、後輩を見守っている。 安藤監督の人生の師は、大学4年間、指導を受けた河原井正雄元監督だ。勝利への執着心は、半端なかった。全日本大学選手権は今大会で7回目の出場で、優勝6度、準優勝1度。27勝1敗、勝率.964を誇る。恩師の勝負勘を引き継ぎ、学生との対話の融合。就任6年目で青学大の新たなスタイルを確立した。河原井監督は平成だけ4度(1993、96、99、2005年)の大学日本一へと導いたが、安藤監督も「令和の黄金時代」を築き上げていく。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール