【イベントレポート】「ルート29」大沢一菜、綾瀬はるかの出演決定に「監督は神だと思った」
映画「ルート29」の完成披露試写舞台挨拶が本日10月17日に東京・TOHOシネマズ 日本橋で行われ、キャストの綾瀬はるか、大沢一菜、監督の森井勇佑が登壇した。 【画像】「ルート29」大沢一菜からのサプライズの手紙に感極まる綾瀬はるか 他者と必要以上のコミュニケーションを取ることのできない“トンボ”ことのり子を主人公に据えた「ルート29」では、彼女が風変わりな女の子ハルと旅に出て絆を深め、さまざまな人と出会うさまが描かれる。清掃員のトンボを綾瀬、ハルを大沢が演じた。 本作が2人のロードムービーという設定になった経緯について、森井は「僕の前作『こちらあみ子』が1人のお話だったので、次は2人の話にしてみたいという試みでした」と説明する。トンボとハルの関係性については「それぞれの“宇宙”があると思っていて、お互いに尊重し合って旅をすることを考えて作りました」と語った。 綾瀬は初めて台本を読んだ際のことを回想し「人と積極的にコミュニケーションを取ってこなかったトンボに対して、『ハルに出会えてよかったね』と思ってうるっとしました」と述べる。続けて「トンボはすごくしゃべる役ではなかったので、一菜ちゃんを目の前にしてどういうものが生まれるんだろうと、緊張とワクワクで現場を迎えました」と振り返った。具体的な言葉は避け、抽象的なイメージで役や演出を伝えていたという森井は「撮影2日目の朝、綾瀬さんが『(トンボは)1人で家にいる感覚がずっと続いている人なのかな?』と言ってきて。その言葉を導き出してくれてものすごくうれしかったです」と伝えた。 綾瀬が出演してきたドラマや映画を何度も繰り返し観ているほどファンだという大沢は、共演が決まったことについて「夢だと思いました。そのときだけ、監督は神だと思いました」と淡々と話し、会場の笑いを誘う。森井が「綾瀬さんの出演が決まった話をLINEでしたら、大沢さんから『神!』とだけ返ってきて(笑)。その“神”は俺のことだったんですか? 綾瀬さんのことだと思ってた」と聞くと、大沢は「どっちも!」と答えていた。 映画のプロモーション期間、フィルムカメラ・写ルンですで撮影をしていたという大沢。スクリーンには、大沢が大切にしているぬいぐるみの“みーちゃん”と“わんころべー”を抱える綾瀬の姿、綾瀬と大沢の2ショット、綾瀬と森井の2ショットが映し出された。綾瀬は「みーちゃんとわんころべーは、鳥取でもずっと一菜ちゃんと一緒にいた相棒なのでさわれてうれしかったです」とコメント。MCの「なかなかさわれないんですか?」という質問に、大沢が「監督でも全然(さわって)いいです」と許可を出すと、森井は「ありがとうございます」とうれしそうにしていた。 イベント終盤、大沢から綾瀬にサプライズで手紙が贈られる場面も。「まず、顔がかわいいです」という入りに大きな笑い声を上げる綾瀬だったが、「アクションができたりするところもそうですが、毎日ずっと穏やかで、きれいで、笑顔でいるところがかっこいいです」「トンボさんも私と同じ人間だから毎日いいことばかりじゃないと思うけど、それを見せないところがすごくかっこいいです」という言葉には、静かに涙を流していた。手紙の最後に「またトンボさんと一緒に映画に出たい」という目標をつづった大沢に対し、綾瀬は「一生の宝物にします!」と喜びを表現。現場での大沢については「最初はシャイだったけど、だんだん『トンボさん元気? 疲れてない?』と励ましてくれる存在になっていった」と印象を明かした。 最後に森井は、鑑賞前の観客に対し「最初から最後まで不思議なことがいっぱい起こる映画です。心をぐにゃんぐにゃんにやわらかくして観ていただけたらと思います」と呼びかけ、イベントの幕を引いた。 「ルート29」は、11月8日に東京・TOHOシネマズ 日比谷ほか全国でロードショー。 ■ 大沢一菜が綾瀬はるかに宛てた手紙全文 トンボさんへ。 いつも恥ずかしくて直接伝えるのは無理なので、手紙を書きました。 まず、顔がかわいいです。 これは、映画で会う前からずっと思っていたことなので最初に伝えたいです。 いつもチラチラとしか見ることができなかったけど、映画の中のトンボさんの顔はしっかりと記憶に残っています。 トンボさんという人の顔も大好きになりました。 この先も2人の顔が大好きだと思います。 あと、すごく人がいいです。 この前一緒にごはんに行ったときも家まで送ってくれて、ママにもドッキリ挨拶もしてくれて、ママは死ぬほどびっくりしてたけど、「綾瀬はるかちゃんは異常にかわいかった」とトンボさんが出てるCMを観るたびにずっと言ってるので、親孝行ができて感謝しています。 普段はもっとちゃんとした格好をしているとママがずっと言っているので、今度はうちにごはんを食べに来てください。 そして、かっこいいです。 アクションができたりするところもそうですが、毎日ずっと穏やかで、きれいで、笑顔でいるところがかっこいいです。 私はいろんな人の言葉や態度に傷付いてしまったり、家族や友達と何かあったら落ち込んだりもしちゃうし、トンボさんも私と同じ人間だから毎日いいことばかりじゃないと思うけど、それを見せないところがすごくかっこいいです。 私が何度も繰り返し観ているトンボさんのドラマや、毎日私やママに元気をくれるCMの裏でも、私たちが気付かないところでそういうことが何度もあったんだろうな。 けど、人に見せずにがんばってきたんだろうなと思うと、かっこよくてもっと好きになりました。私もそういう人になりたいと思いました。 これから先、自分の将来がまだ決まってなかったですが、またトンボさんと絶対に一緒に映画に出たいという目標ができました。 アクション映画でもいいし、「ルート29」の続きでもいいし、監督も仲間に入れてあげても、まあいいです。 そのために私もアクション練習とかがんばるので、そのときまでお互いまた元気で、さらにかっこいい姿になって会いましょう。 大沢一菜より (c)2024「ルート29」製作委員会