Netflixシリーズ「極悪女王」ダンプ松本の視点で80年代の女子プロブームを再現!
【WEEKEND女子プロレス#31】
1980年代、女子プロレスが日本中を席巻した。長与千種&ライオネス飛鳥のクラッシュギャルズが国民的アイドルの座を獲得し、空前のブームを巻き起こしたのだ。社会現象にまでなったクラッシュ旋風を敵役として支えたのが、極悪同盟を率いたダンプ松本。クラッシュたちと同じくビューティーペアにあこがれプロレスラーを目指すも、同期からおくれを取り落ちこぼれだった松本香がヒールとして覚醒、ダンプ松本を名乗り日本中の嫌われ者となった。その物語が『極悪女王』のタイトルでドラマ化され、9月19日よりNetflixにて独占配信中だ。 【動画】唐田えりか – 長与千種、覚醒 | 極悪女王 | Netflix Japan 主役のダンプにはお笑いタレントのゆりやんレトリィバァが扮し、文字通りの体当たり演技を見せる。クラッシュを誰が演じるかも興味深いが、長与には唐田えりか、飛鳥を剛力彩芽という豪華な顔ぶれ。 キャスティングの話題性はもちろんのこと、プロレスラーを演じる俳優たちはプロレススーパーバイザーの長与千種の指導で肉体改造に着手、約2年間にわたるトレーニングをみっちりと受け、実際のプロレスシーンをこなしてみせたのである。そこから生まれたプロレスシーンの説得力は、ぜひ本編で確認してほしい。 それにしても、今年はプロレス映画豊作の年なのではないか。“鉄の爪”エリック・ファミリーの盛衰を描いた『アイアンクロー』、スターダムのトップレスラー、岩谷麻優の半生を映画化した『家出レスラー』が公開され、内容的にも高い評価を得た。 その掉尾を飾るのが、『極悪女王』ということになるのだろうか。『極悪女王』『アイアンクロー』が80年代、『極悪女王』『家出レスラー』が女子プロレスを舞台にしているという共通点も興味深い。 また、これらの作品すべてが実話のドラマタイズという部分でも共通している。フィクションでありながら、実際のエピソードに沿って描かれており、実在の人物がそのまま同名で登場したり、名前を変えて実在の人物を再現、あるいは完全に架空の人物を登場させるなど、さまざまなパターンをミックスさせている。 一部エピソードの内容や時系列を変えているなどの部分も、ドキュメンタリーではないフィクションならでは。今回の『極悪女王』も、このような構成になっているのだ。 なお、2019年に公開された『ファイティング・ファミリー』も、実話に基づくドラマだった。こちらは英国の家族経営どインディー団体からWWEでスーパースターになったペイジと家族の実話を映画化。“ザ・ロック”ドウェイン・ジョンソンが彼らのエピソードに惚れ込み、みずから製作したことでも話題になった、プロレス映画の傑作である。