「XSR」シリーズの末弟が登場し、出揃ったヤマハの125ccシリーズが期待される理由
近年のバイク人気を下支えしてきたのは、125cc以下の原付二種クラスの好調な売れ行きですが、そのクラスに期待の新モデルが登場しています。 【各モデル細部の画像を見る】 ヤマハは先日、「XSR125」を発売しました。相次いで国内導入された「YZF-R125」「MT-125」と合わせて、ヤマハの同クラスラインナップが揃ったかたち。これらのモデルが期待される理由と、同社の狙いを読み解きます。
■若いエントリーライダーに人気が出そう
これら3車種が国内お披露目されたのは、今年春のモーターサイクルショー。多くの注目を集めました。125ccクラスは維持費がリーズナブルで魅力的なモデルも増えていることから、近年堅調な売上の伸びを記録しています。ただ、ヤマハはこのクラスにスクーターしかラインナップしていなかったため、他ブランドに比べてやや遅れを取っている印象がありました。 そこに投入されたのが、冒頭の3車種。原付二種クラスながら同社のスーパースポーツ「YZF-R」シリーズの血統に属する本格的なスペックの「YZF-R125」、ストリートファイター的なルックスの「MT-125」、今回リリースされた「XSR125」はエンジンやフレームなどの基本設計は共有しているものの、それぞれ異なる個性を与えられています。 「XSR」シリーズは、レトロさを感じさせるルックスと、最新技術を融合させた“ネオレトロ”と呼ばれる系統。同シリーズには「XSR900」「XSR700」がありますが、手の出しやすいクラスのモデルが登場したことで人気がさらに高まりそうです。 ヤマハが、前述の3車種の最後に「XSR125」を発表したのは、期待の大きさの現れでもあります。「XSR」シリーズは、ほかの車種と比べても若い世代のライダーに選ばれているとのことで、敷居の低い原付二種クラスの登場で若いエントリーライダーの入り口となることが期待されます。 そして、筆者のような中年ライダーから見ても「XSR125」は魅力的に映ります。オーセンティックなティアドロップ形状のタンクに丸目ライトの組み合わせは、同シリーズの中でも特にシンプル。タンクのシルエットはヤマハの名車に数えられる「RZ250」を思い起こさせるもので、カスタムのベースとしても面白そうです。 そのことはヤマハも意識しているようで、発表会の会場には純正アクセサリーでカスタマイズされた車体に加えて、アパレルブランド「フリークスストア」とコラボしたカスタムマシンも展示されていました。メッキ風仕上げのタンクやサイドカバーのほか、懐かしのルーカスタイプのテールランプなどを装着したルックスはかなり魅力的。ベテランライダーがセカンドバイクとして購入してカスタムするのも楽しそうです。