「比例重複剥奪」候補の大量落選も 石破首相が蒸し返した「政治とカネ」問題、執行部改革アピール裏目 与党、過半数割れの可能性
一方、岸田政権で官房長官を務めた松野博一氏(62)=千葉3区、稲田朋美氏(65)=福井1区、福田達夫氏(57)=群馬4区ら閣僚や党要職経験者は健闘を見せているという。
有馬氏は「これまで地盤を固めてきた『貯金』が〝明暗〟を分けている。地元の熱心な支持者は容易に離れない。閣僚や党役職の肩書も、永田町での実績として説得力がある」と指摘する。
石破首相、森山裕幹事長、小泉進次郎選対委員長ら幹部は21日、党本部で菅義偉副総裁らを交え会談し、終盤戦でテコ入れする重点区などを協議したが、挽回できるのか。
■公明党内部で連立に不満の声も
有馬氏は「自公の選挙協力は不安だらけだ。そもそも公明党が振るわない。内部に『連立参加は裏金事件に加担しているとみなされる』と不満の声があり、選挙戦を支えてきた組織力が機能していない。自民党も非公認や重複立候補を認めなかった影響で根本的に得票数は落ちる。また、〝処罰〟を受けた候補の支持者は比例区で自公を推さない傾向がある。ポスター完成後に非公認とされ、『比例区は自民党』と記した部分を削除した候補もいる。さらに、非公認や重複外しとなった候補の補充で擁立された人材も、急場しのぎだっただけに『難あり』と見る向きがある。こうした得票の激減は、石破首相の想定外だったのではないか」と指摘した。