後半だけ両チームで5得点 鹿島学園が3-2でFC東京U-18を退ける
第33回イギョラ杯国際親善ユースサッカーが3月18日からの3日間、東京、埼玉の5会場で開催。 【フォトギャラリー】FC東京U-18 vs 鹿島学園 イギョラカップには全国の強豪校20チームが参加。全20チームをAからDの4グループに分け、予選リーグを実施。各グループ1位から5位までを決め、順位トーナメント戦を行う。(※1試合、前後半35分ハーフの70分) 2日目の19日、FC東京小平グラウンドでC組予選リーグ5試合が行われた。第1試合ではFC東京U‐18(東京)と鹿島学園(茨城)が対戦した。 両チーム、チャンスを作りながらも決めきれないまま、0‐0で前半終了。迎えた後半、試合は大きく動いた。 先制したのは鹿島学園。10分、ゴール前の混戦からMF103木下永愛がヘディングシュートを決めると、負けじとFC東京U-18 FW18尾谷 ディヴァイン チネドゥが決め、同点とした。逆転の気運高まるFC東京U-18は一気呵成に攻めるが、相手守備陣の粘りとシュートの精度を欠き、押し切れなかった。攻勢をしのいだ鹿島学園は26分、カウンター。MF39伊藤蒼空のパスを受けたFW46木内篤志が決め、突き放す。 粘るFC東京U-18は33分、MF38田中希和から最後はFW18尾谷 ディヴァイン チネドゥが押しこみ、再び同点に。残り時間わずか。同点と思われた35分、鹿島学園FW90山本葵からMF39伊藤が決勝弾を決め、試合終了。 鹿島学園が3-2でFC東京U-18を振りきって、3連勝。勝点を9に伸ばした。一方、一歩及ばなかったFC東京U-18は通算成績1勝2敗。勝点3のまま。 「ピンチとチャンスが両方、行ったり来たりのゲームでした。結果はどちらになってもおかしくなかったですが、今回はたまたま勝てたと思います」と鹿島学園・鈴木雅人監督。 鈴木監督が言うようにシュート数、FC東京U-18の14本。鹿島学園10本、合わせて24本の打ち合い。序盤からオープンな展開となった。 3-2で競り勝てた要因には鈴木監督のハーフタイムでの声掛けがあった。 「もっとチャレンジしないと」。「相手に負けないぞ!という気持ちでプレーしないと」。「本気で戦っていこう」。「声を出して勝ちにいこう」とメンタル面が強調された。 ハーフタイムの指示の意図を鈴木監督に聞いた。FC東京U-18はジュニアユースから昇格した、いわば選ばれたメンバー。一方、鹿島学園はJクラブのユースに惜しくも昇格できなかった選手や地域のクラブ出身の選手が大半。そのためだろうか、形勢が悪くなる、あるいは先制しながら同点にされたとき、積極的なプレーが少なくなってしまう。 「ここでメンタルで引かずに、いままでやってきたこと、言ってきたことを出していこう。チャレンジしていこうと。ここで気持ちが引いたら、やってきたことに意味がないと、そう伝えました」と鈴木監督。 試合終了前に2得点をあげ、シーソーゲームを制した鹿島学園イレブンにまたひとつ確かな自信が備わった。 (文・写真=佐藤亮太)