「先延ばしグセ」に限界 若い頃は締め切りギリギリでもなんとかなってきたのに…… プレゼン前に徹夜しない「3つの作戦」
小学生の夏休みの宿題は、早い時期からコツコツと取り組むほうでしたか? それとも最終日になって泣きを見るタイプでしたか? 後者のような「先延ばし」タイプで、ギリギリでもなんとかなってきたという能力の高い人のなかには、大人になってもいつも仕事の締め切りギリギリを攻め込みすぎて、周囲から引かれているということがあります。 個人プレーならプレースタイルはさまざまでOKですが、チームで働く場合にはギリギリの先延ばしグセは問題です。今回は、この「締め切りギリギリになってしまう」問題に切り込みます。
前日に徹夜を繰り返す山田さん
山田さん(仮名、30代男性)は、メーカー勤務で商品開発の部署にいます。そこでは、月1回の定期ミーティングで新規商品に関する案を出し合ったり、試作品を検討したりして、数年がかりで製品を作り上げていきます。 ミーティングは複数の支社をつなぐオンラインで、毎回、それぞれの進捗を報告します。山田さんは学生のころからこの手の「定期的に進捗報告すること」が苦手でした。 大学生のころは研究室のゼミの発表が回ってくると、その前日の夜、もしくは日付の変わる時間からでないとエンジンがかからず、必死で徹夜でこなして間に合わせるスタイルだったのです。 いまもまったく同じで、ミーティングの前夜は決まって会社に泊まり込んで資料を仕上げています。翌朝出勤した同僚は、3つつなぎで並べられたイスを見つけてこう言います。 同僚「山田さん、また泊まったんだ。毎月ほんとにギリギリだな」 そうです。山田さんは毎回、オフィスチェアをつないで車中泊ならぬ社内泊なのです。 山田さん「冬場はほんと寒いし、カゼひくんだよ。いい加減、こんなギリギリ生活やめなくちゃ」
30歳を過ぎてから、だんだん体に無理がきかなくなってきましたし、ついこの間は、ギリギリ「アウト」な事件が起こったのです。 ミーティングまでにほかの部署から取り寄せなくてはならなかった情報や、上司の決裁が間に合いそうになく、両方に頭を下げて無理を言って迷惑をかけてしまったのです。 ミーティングの開始時間を過ぎても山田さんは準備が間に合わず、途中参加となりました。その場の白けた空気は針のむしろでした。 山田さんは、どうしていつもこんなにギリギリなのでしょうか。山田さんの取り組み状況は、こんな感じです。 【会議の2週間前】 「そろそろ手をつけないといけないけど、いまは目の前のこの仕事で忙しい」 【会議の1週間前】 「やらなきゃだけど、やる気が出ない。なんかイヤだ。もう少し直前じゃないとエンジンがかからない」 【会議の前日】 「おかしいな、そろそろエンジンがかかるべきなのに。でも、いまからやってもロクなこと報告できないな。なんで1カ月間もあったのに何もしなかったんだろう。ひとまず、明日の会議60分間を乗り切るためのやっつけ資料を作ってごまかそう」 ツッコミどころ満載の山田さんに、「早く取り掛かりなさい」と言うのは簡単ですが、この先延ばしパターンを30年近く続けてきた彼の問題は、それだけでは解決しなさそうです。