大補強したFC東京が10年ぶりの敵地での鹿島撃破に見せた変革の一端
「今日もめちゃくちゃいいコンビネーションがあったわけではないし、やりながら成長していくしかない。成長への手応え? もちろんありますよ。とにかく、今日は勝ったことが一番のポイント。どんな形でも、結果を出すことが次につながるので」 声を弾ませたのは永井だ。決勝点となったオウンゴールを誘発したのは、途中出場のMF中島翔哉。昨シーズン後半にはレギュラーをつかみかけた、リオデジャネイロ五輪代表のドリブラーがミドルシュートを一閃。GKクォン・スンテが弾いたこぼれた球が、不運にもDF三竿雄斗に当たってゴールインした。 カバーに戻っていた三竿の背後には大久保と永井が迫り、大きなプレッシャーを与えてもいた。既存の選手たちと新戦力が切磋琢磨を繰り返しながら、融合していく。進化のための化学反応は、すでに顔をのぞかせ始めている。 2018シーズンのACL出場権を獲得するには、1ステージ制に回帰したJ1で3位以内、つまりFC東京の最高位を更新しなければならない。歴史を変える戦いの序章へ。昨シーズンまでとはひと味もふた味も違うFC東京が、最高のスタートを切った。 (文責・藤江直人/スポーツライター)