店内の様子

　「喫茶ヘバナ」（八戸市類家）が4月6日、移転オープンした。（八戸経済新聞） 　上舘（かみだて）せんべい店（同）が昨年11月まで運営していた「せんべい喫茶」の常連客のつながりを守ろうと、鈴木美朝さんを中心に20～30代のスタッフが運営する同店。「せんべい喫茶」は長年、上舘一雄さん・京子さん夫婦が焼きたての「てんぽせんべい」とコーヒーを提供し、地域住民の朝の集いの場として親しまれてきたが、昨年11月20日、33年の営業に幕を下ろした。 【写真】店内には五所川原市出身の運営メンバーが製作した立佞武多（たちねぷた）の山車の一部を展示する 　鈴木さんは「人生の大先輩のコミュニティーを守りたい」と、閉店から11日後の12月1日、鍛冶町通りバス停前の総菜店内を間借りし「喫茶ヘバナ」を開いた。今年1月31日に同所での営業を終了し、2月にせんべい喫茶跡を居抜きで借り、クラウドファンディングで約163万円の資金を集め、オープンにこぎ着けた。 　せんべい喫茶から譲り受けたコーヒーマシン、コーヒーカップ、ソファ、テーブル、椅子を置く。コーヒー、甘酒（以上250円）、上舘せんべい店が製造した「南部せんべい」（50円）を提供する。 　初日はせんべい喫茶の常連を中心に約30人の地元客が店を訪れ、「久しぶり」「元気だったか」などと声をかけ合い、朝の交流拠点再開を喜んだ。上舘一雄さんは「この日を楽しみにしていた。私も今日から客の一人。いろいろな経験を持った人が集まるこの場所は生きた事典だと思う。われわれの年代はあれこれと語らずに若い人たちを見守るだけ。後は鈴木さんに任せた。毎日来たい」と笑顔を見せる。 　鈴木さんは「いろいろな世代が集まれる場所にしていきたい。若い人や親子、海外出身の人にも来てほしい」と話し、今後はイベントやポッドキャスト配信なども行う予定という。 　営業時間は6時30分～8時30分。月曜・火曜定休。