【またしても】神社屋根の「銅板」大量窃盗被害…世界的な貴金属相場高騰背景に“換金”目的か(静岡・島田市)
Daiichi-TV(静岡第一テレビ)
静岡・島田市の神社で、11月、屋根をふいていた銅板243枚が剥がされ、盗まれていたことがわかりました。 生い茂る木々の中に鎮座するこの神社が、事件の舞台となりました。 (芳賀 康俊 記者) 「島田市相賀にある高山白山神社です。屋根の広い部分にブルーシートが張られています」 高山白山神社は、800年以上の歴史があるといわれる神社で、地元の人々の心のよりどころとなっています。事件が発覚したのは、11月4日のこと。関係者が神社を訪れた際に、雨漏りなどが確認されたことから、付近を見回ったところ、屋根の銅板が大量に盗まれているのを見つけました。屋根に上ってみると、惨状が目の前に…。 (高山白山神社 氏子総代会長 石田 寿彦さん) 「この銅板で、下から上までふいてあります。そして、途中から、このような状態で剥ぎ取られています。青いシートのところはすべて取られました」「たぶんね、大きなバールで下から入れてこじ上げられた」 シートをめくると、無残にも銅板が剥がされ、屋根の木材がむき出しになっているところもありました。 (高山白山神社の氏子) 「横にずらずらやられてる」「ねぇ~、こんなの想像もしたことないわ」 被害は、隣の社にも及び、盗まれた銅板は計243枚にも上ります。現場には、手荒な犯行の跡も残っていました。 (芳賀 康俊 記者) 「犯人は、このはしごを使って屋根に上ったとみられています。はしごの下には、屋根を止めてあった部品が散乱しています」 神社は山あいにあるため人通りは少なく、普段は無人の状態で、10月20日に行われた祭りの際に異常は確認されていないことから、この日以降に、何者かによって盗まれたとみられています。 さらに、屋根の銅板が剥がされたことで、雨漏りの被害にも悩まされています。屋根には、応急処置としてシートを張っていますが、修理には、数百万円もの多額の費用が掛かる見込みで、関係者は憤りを隠せません。 (高山白山神社 氏子総代会長 石田 寿彦さん) 「なんで、神社にこんなひどいことをするのか」「防犯カメラを付けようと検討している」 静岡県内では、人目につきにくい神社を狙った銅板の窃盗被害が相次いでいます。 2024年4月、南伊豆町の山あいにあり、地区で管理している無人の神社で、本殿の屋根に使われていた銅板10枚が盗まれました。 2023年10月、静岡市駿河区の「小坂熊野神社」では、屋根の銅板が剥がされたほか、境内の入り口付近にある天満宮の壁や屋根の銅板が盗まれました。 なぜ、銅が狙われるのか…。その理由のひとつと言われるのが銅の価格高騰です。銅の国内での相対取引の目安となる価格の平均値をみると、現在、銅は1キロあたり1470円ほどで取り引きされていますが、これは、5年前と比べると2倍以上高くなっています。近年、電化製品などに欠かせない「銅」の需要が世界的に高まり、価格が上がっていて、今回も“換金目的”との見方が強まっています。警察は、神社の関係者からの被害届を受け、窃盗事件として捜査を進めています。