アフガン崩壊|中国の「安保ただ乗り」時代の終焉――超大国への分岐点
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アフガニスタンでの 20年にわたる米国の戦争が終わり 、 「タリバン」が全土を制圧 した。米軍という「安定の担保」が去った今、アフガニスタンを中心とするこの地域で地殻変動の予兆が表れている。米国の安全保障秩序に「ただ乗り」して「一帯一路」構想を進めてきた中国は今、地域秩序を担う初の試練に向かうのだが、その本音は怯えであろう。 アフガニスタンでの「タリバン」進撃に世界が目を奪われていた7月14日、パキスタン北部で不吉なテロが起きた。イスラマバードから北方160キロにあるコヒスタン地方のダスで、2台のバスに対する自爆テロが発生。中国人技術者10人を含む14人が殺害され、他に41人が負傷した。車体故障による事故説も流れたが、シャー・マヘムード・クレーシ・パキスタン外相は8月12日になり、自爆テロだったと発表した。 中国は、インドを共通の「敵」とみなすパキスタンと安全保障関係を強め、最近では「一帯一路」構想の旗艦プロジェクトでもある 「中国パキスタン経済回廊」(CPEC) の建設を進めている。今回のテロで犠牲になった中国人技術者は、ダスで水力発電所の建設に当たっていた。
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杉田弘毅