アップル株価、年初来でプラス圏入り-弱気派の大きな懸念後退
(ブルームバーグ): 米アップルの今年の株価は3日、終値ベースでプラス圏に入った。同社に対するセンチメント改善が新たに示唆された。
株価は0.9%高と6営業日続伸し、2024年の騰落率はプラス0.8%となった。5月には約13%上昇し、月間ベースで2022年7月以来最大の上昇率を記録した。
アップルは今年、年初来の下落率が14%に達した時期もあった。他の超大型ハイテク株に引き続き後れを取っているものの、足元の上昇で時価総額は3兆ドル(約468兆円)近くに回復した。この水準を終値ベースで最後に上回ったのは1月。ナスダック100指数は今年約11%上昇している。
最近の株価上昇をもたらした大きな要因は、5月上旬の1-3月(第2四半期)決算発表時に明るい見通しが示され、成長トレンドや中国での販売を巡る懸念が和らいだことだ。同社はまた、米史上最大規模となる自社株買い計画も発表。取締役会が1100億ドル相当の追加自社株買いを承認した。
アップル株上昇、増収見通し好感-記録的な自社株買い発表 (3)
スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」新機種に人工知能(AI)を取り込むことでユーザーの買い替えを促し、売り上げ拡大につながるとの楽観的見方も強まっている。アップルは6月10日に開催する世界開発者会議(WWDC)でAI戦略の詳細を発表すると見込まれている。
アップル、待望のAI戦略発表へ-6月10日から世界開発者会議を開催
ウェドブッシュのアナリスト、ダン・アイブス氏は「アップルのエコシステムに導入されるAI技術は、iPhoneなどのハードウエアとサービスの両分野で大きな収益化の機会をもたらすだろう」とリポートで指摘した。
原題:Apple Turns Positive for 2024 After Addressing Key Bear Concerns(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Ryan Vlastelica