中国・アルゼンチン首脳が初会談、経済互恵視野に雪解け
[リオデジャネイロ 19日 ロイター] - 中国の習近平国家主席は19日、20カ国・地域(G20)首脳会議が開催されているブラジル・リオデジャネイロでアルゼンチンのミレイ大統領と会談した。中国国営中央テレビ(CCTV)が報じた。 両首脳による会談は今回が初めて。 ミレイ大統領は米国のトランプ次期大統領の崇拝者として知られ、昨年には中国政府を「殺人集団」と呼び、共産主義とは取引しないと言明した。ただ、大統領就任後は中国に対する強硬姿勢を軟化させており、来年初めに中国訪問も予定している。 習主席は会談でミレイ氏が推進する大規模な経済改革計画に触れ、「アルゼンチンはミレイ大統領のリーダーシップの下、改革を精力的に進め、経済回復と国家再活性化にコミットしている」と指摘。「中国はアルゼンチンが国情に合った発展の道を歩むことを支持し、改革の成功を祈っている」と述べた。 広東国際戦略研究院のLi Xing教授は、世界で保護主義政策が台頭する中、中国は中南米での影響力拡大に関心を持っており、アルゼンチンとの関係は中国に戦略的な価値をもたらすという見方を示す。 Li氏によると、中国はアルゼンチンで多くの高付加価値プロジェクトを進めており、米国の懸念につながるアルゼンチン南部の中国宇宙観測センターも含まれる。また、アルゼンチンを牛肉の主要供給源とできれば、中豪関係が緊張した場合、牛肉輸出国であるオーストラリアに圧力をかける上で戦略的な意味合いを持つ可能性があるという。