子どもがミスから学ぶ力を身につけるためには? 不正解だけを集める「ブラックノート」の効果
ミスを成長につなげるためには、自分の間違いを分析し改善するための「修正力」が必要になります。子どもの「修正力」を伸ばすために、親ができることは何でしょうか? 【データ】データで見えた「偏差値70超の中学生の勉強時間」 平日、土日、テスト直前の違いは? 学習塾STUDY HOUSE代表、須合啓先生の解説を、著書『自分から進んで学ぶ賢い子の育て方』よりご紹介します。 ※本稿は須合啓著『自分から進んで学ぶ賢い子の育て方』(明日香出版社)より一部抜粋・編集したものです
修正力を身につける
修正力(回復力=レジリエンス)も、学び続けるための重要なスキルです。これが身につけば、子どもは失敗から学び、次回に向けて改善していくことができます。成績向上の鍵であることはもちろん、将来にわたって自立して生きていくためにも非常に大事な力です。
ブラックノートの活用
修正力を養うためには、まず自分の間違いを分析することが必要です。私たちは、インプットだけではなく、アウトプット、特に演習の重要性を強調しています。授業で学んだことを実際に使って問題を解くことで、自分の弱点を把握し、それを克服する方法を考えます。具体的には、テストを通じて自分の間違いを洗い出し、なぜ間違えたのかを分析します。 この分析の過程で、間違った問題だけを集めたノート=通称「ブラックノート」を活用し、間違えた問題とその原因、次にどうすれば間違えないかを記録します。 最初に自分はどう問題を見立てのか(読み取ったのか)、その、間違いを誘発した問題の見方や考え方を文字で残しておき、次はどう考えて解答したらいいかといったプロセスを言語化していくのがポイントです。
家庭でできる修正力の育成方法
では、家庭ではどのようにして修正力を育んだらいいでしょうか。大事なのは、日常生活の中で、子どもが予想外の状況に直面する機会を設けることです。たとえばキャンプや旅行、散歩や外遊びでは、計画通りにいかないことが多々あります。これらの経験は、子どもが事前に準備したことを見直し、臨機応変に対応する力を育てます。また、買い物で支払いをさせるなど、日常の中での小さなチャレンジも修正力を養ういい機会になるでしょう。 生き物や植物を育てることも有効です。植物がうまく育たなかったり、ペットが病気になったりすることで、子どもは問題を解決するためにどうすればいいかを考える力を身につけます。予定調和が崩れたときに、子どもの柔軟な思考と修正力が養われます。