大谷翔平、ついに大舞台へ!“投手陣崩壊状態”のドジャースは「ポストシーズン」で勝てるのか
2戦目は「大谷VSダルビッシュ」の名勝負に期待
また、初戦を落としたチームにとって絶対に勝たないといけないのが2戦目だ。ドジャースはジャック・フラーティ、パドレスはダルビッシュ有を先発マウンドに送り込む。 フラーティは7月下旬にタイガースからトレードでやってきたが、故障者が相次いだローテーションを支えたまさに救世主と呼べる存在だ。ドジャースの打のヒーローが大谷なら、後半戦の投のヒーローはフラーティだった。 一方のダルビッシュは、山本とほぼ同じ約3か月間を負傷者リストで過ごし、9月上旬に復帰したばかり。ただし、復帰後は5試合に投げて3勝0敗、防御率3.55と上々の成績を残している。 そのダルビッシュと大谷の直接対決は日本だけでなく、現地でも大きな注目を集めそう。ポストシーズンの大舞台で、日本ハムの新旧スターが初めて相まみえる数打席は、後世に語り継がれる名勝負になることを期待したい。
ベッツとフリーマンの活躍が鍵となる
この試合に限らず、ドジャースにとっては、やはり大谷の活躍が勝敗に直結することになりそうだ。ただし、シーズン終盤の打棒を見る限り、まともに勝負をしてもらえない可能性が高いだろう。 大谷の直後にはムーキー・ベッツとフレディ・フリーマンという大打者2人が控えているものの、ベッツは過去2年のポストシーズンで通算25打数2安打(打率.080)、0本塁打、1打点と低調。フリーマンも昨年のポストシーズンで10打数1安打に抑え込まれていた。 今季のレギュラーシーズンも2人はやや物足りない成績で終えており、一戦必勝のポストシーズンでは大谷を歩かせて、ベッツ、フリーマンと勝負する選択をする可能性も十分に考えられる。
“大谷の足”も脅威に
ただ、そうなるとパドレスにとって脅威となるのが大谷の足。特に後半戦は凄まじい盗塁成功率を記録し、日本人選手では歴代最多となる59盗塁をマークした。大谷を歩かせることは、二塁打、三塁打を打たれることを意味すると言っても過言ではない。 走者・大谷に立ち向かうのは、日系4世の捕手カイル・ヒガシオカ。ワイルドカードシリーズでは2本塁打を放つなどラッキーボーイ的存在ではあるが、今季の盗塁阻止率は20.0%でリーグの平均以下だった。大谷を安易に歩かせ、簡単に盗塁を許すようならベッツやフリーマンを目覚めさせてしまう可能性も十分あるだろう。 ブレーブスに2連勝し、勢いに乗るパドレスと、5日間の休養明けでフレッシュな状態のドジャース。ライバル同士によるガチンコ対決は果たしてどんな結末を迎えることになるだろうか。 文/八木遊(やぎ・ゆう) 【八木遊】 1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。
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