南野陽子「完璧じゃないんです、私」 いいも悪いも私のすべてだから ベストテン歌詞忘れ事件は「あれ?ってなっちゃった」
「あれ?ってなっちゃった」
なぜ歌詞を忘れてしまったのか。
「その後の特番でも必ず取り上げられるから、忘れようにも忘れられないのよ。翌日のスポーツ紙には失恋の悩みとか書かれたけど、そんなんじゃないない(笑)。むしろ、何も悩んでなかったし、ただのど忘れなんですけど。リハーサルのとき、床に敷き詰めた枯れ葉をドレスのすそでお掃除してしまったの。本番でそれが気になっていて、いざ歌うところで、あれ? ってなっちゃったのよ」
そんな彼女にとって「歌」ってなんだろう。
「そうねえ、歌は聴くのは好きだけど、歌うのは実は楽しくないの。苦手で、今でも恥ずかしいし、キョロキョロしちゃうし、体は震えるし…。でも、みんなに会いたいし、聴いてもらいたいし、届けたい思いがあるから歌っているの。それはデビューのころから変わらないですね」
来年には歌手デビュー40周年を迎える。
「歌手業に専念してきた40年なら、何か大きなことをやるんでしょうけどね。ここまで続けてこられたのは、ほかにできることがなかったからよ。私がどこかの会社に就職できるかって言ったら、そんなわけないって話なんだから(笑)。いつまでも完璧じゃないの。歌は間違えるし、声は裏返るし、お芝居ももっと何かできたよなあって思うことばかり。だから、いつも次こそはって思いでやってきたのよ。よかったよって褒められたかったから、頑張ってこれたのかな」
40年といわず、50年、60年と歌っていてほしいけれど…。
「えー、そんなのは無理無理(笑)。何が起きるか分からないので、先のことはともかく、毎年一歩一歩、踏みしめながらやっていきますよ」
(ペン・福田哲士 カメラ・松井英幸)
「ザ・ベストテン」全歌唱シーン収録 ブルーレイ3枚組BOX 6月26日発売
■南野陽子(みなみの・ようこ) 女優、歌手。1967年6月23日生まれ、56歳。兵庫県出身。CBS・ソニーのオーディションに合格し、84年のテレビドラマ「名門私立女子学校」(日本テレビ系)で女優デビュー。85年に「恥ずかしすぎて」で歌手デビューし、同年の「スケバン刑事Ⅱ 少女鉄仮面伝説」(フジテレビ系)で大ブレーク。女優としての近年の出演作に2020年のドラマ「半沢直樹」(TBS系)、21年公開の映画「いのちの停車場」(成島出監督)など。代表曲は「話しかけたかった」「楽園のDoor」「吐息でネット」など。
「ザ・ベストテン」の登場シーンをすべて収めたブルーレイ3枚組BOX「ザ・ベストテン Collection」は6月26日に発売される。