水ゴケで植え替え上手になる!長くきれいなものほどランクが高く上質。水ゴケの選び方&戻し方を紹介
洋ランを育てる際に欠かせない植え込み材料。じつは鉢との組み合わせで保水性が変わり、各ランとの相性も変わります。『趣味の園芸』2025年1月号のラン特集では、さまざまな植え込み材料と鉢の組み合わせを徹底比較。あなたが育てているランにぴったりの組み合わせを見つけましょう! 洋ランの植えつけに最も使われている植え込み材料といえば「水ゴケ」。水ゴケの選び方、戻し方について、1月号から抜粋してお届けします。
水ゴケの選び方
●長くきれいなものほどランクが高く上質。 ● 長さの目安はAの数で評価され、A~AAAAAに分かれている。Aがふえるほど長く、価格も高い。 ● ニュージーランド産、チリ産などが一般的。 ● 白やクリーム色のほうが新鮮。 ● 長いもののほうが植え替えしやすい。短い水ゴケはさし木に使ったり、マルチング材に。 水ゴケは保水性が高く、水やりの頻度を減らせるのが大きなメリットです。また、排水性と通気性にも優れるため、洋ランの根が元気に育ちやすいのも特徴です。 最終的に腐るとはいうものの、一度植えつけたら2~3年はもつため、株をしっかり充実させ、花を咲かせたい人にもおすすめです。 また、土と異なり、次の植え替え時に乾かして可燃ゴミとして処分できるのもポイント。
水ゴケの戻し方
乾燥水ゴケは1包み150gのブロックで市販されていることがほとんどですが、ここでは4号鉢1個の植え替えに必要な量、30gを戻す方法を紹介します。
【1】水ゴケの塊をほぐしながら5分の1を取る。ハサミで切ると繊維を断ってしまうため手で取る。
【2】ポリ袋に、水ゴケと水120mL前後を入れる。口を縛り、なるべく暖かい場所に半日置く。
【3】密封して半日置いたもの。水をすべて吸って、ふわふわな水ゴケになった。
水ゴケは、ちょうどよい水量で柔らかく戻すのがポイント。多めの水で戻して絞ると、水ゴケに含まれる栄養分も流れてしまうので注意しましょう。 戻した水ゴケはスポンジのようにふわふわしているので、鉢に植えつける際は、根とともにやや強めに押し込むように鉢に入れ、株をしっかり固定するのがコツです。数年たち、鉢内に根が伸びるスペースがなくなってくると、種類によっては鉢の外に複数の根が出てくることも多いです。 誌面では、戻した水ゴケを使って素焼き鉢に植え替える手順をわかりやすく解説しています。ぜひ参考に挑戦してください。バークチップや洋ラン用の土など、他の植え込み材料についても紹介しています。 教えてくれた人/清水柾孝(しみず・まさたか) ラン栽培家 園芸資材メーカーに勤務し、全日本蘭協会に所属。園芸好きな祖父母の影響で幼少期から植物に親しみ、入門者にもわかりやすい解説には定評がある。現在1000鉢ほどを栽培中。育種も手がける。 ●『趣味の園芸』2025年1月号〈保水性で選ぶ!「植え込み材料+鉢」徹底比較〉より