競泳=フェルプス氏ら、WADAの改革は「失敗」 中国の薬物問題で
[ワシントン 26日 ロイター] - 競泳のスーパースターだったマイケル・フェルプス氏らが、中国の競泳選手によるドーピング疑惑を受け、世界反ドーピング機関(WADA)の改革は失敗との見解を示した。 この問題は、2021年の東京五輪前に中国の競泳選手23人がドーピング検査で陽性反応が出たにもかかわらず、出場が許可されたもの。WADAは、中国の反ドーピング機関(CHINADA)から、選手らが気付かずに薬物に汚染された状態で検体を提出したため陽性反応を示した、との通知を21年6月に受けたと説明していた。 米国代表として五輪で通算23個の金メダルを獲得したフェルプス氏は25日、現役競泳選手のアリソン・シュミットらとともに、米連邦議会の調査・監視小委員会の公聴会に出席。「WADAの改革への試みが全て失敗したことは明らか。国際スポーツの品位と、アスリートが公正に競争する権利を損なう根深い構造的な問題がいまだに存在している」と訴えた。 フェルプス氏はこの一件で親しい友人たちにも影響が及んだとし、「彼らの多くは生涯を通じて『もしも』という気持ちを抱えて生きていくことになる。アスリートとして、われわれはもはやWADAを全面的に信頼することはできない」と語った。 なお、WADAは4月、同機関から独立した検察官による調査を行うと発表。中国は今月、パリ五輪に向けて31人の競泳選手を発表している。