三菱らしいRVとも言うべきカッコいいワイルドな1台が出た!!! パジェロが輝いていた時代に戻れるか!?
2024年1月12日から開催された「東京オートサロン2024」(千葉県・幕張メッセ)の三菱自動車(以下、三菱)では、発表されたばかりの新型「トライトン」ベースのモデルが展示された。最新ピックアップトラックの新しい魅力を、大谷達也がリポートする。 【写真を見る】新型トライトン・スノーシュレッダーコンセプトなどの細部(95枚)
市販される可能性もなきにしもあらず
およそ12年ぶりに日本市場に導入される三菱の1tピックアップトラック、トライトン。東京オートサロン2024では、トライトンの新たな可能性を指し示すコンセプトモデル「スノーシュレッダーコンセプト」が公開された。 スノーシュレッダーとは“雪をまき散らしながらスノーボードを楽しむ人”を指す言葉で、主にアメリカなどで使われている模様。発表されたコンセプトカーも「雪山でのレジャーを存分に満喫する、ピックアップトラックならではの新しい使い方」を、提案するものと説明されている。 実車を目の当たりにすると、荷台やルーフ上に取り付けられたさまざまな“ギア”が目をひく。たとえば、荷台の左側面に取り付けられたレイトナー製のボックスは、スキーやスノーボード用のブーツを収納するのに最適。目的地に着いたら、ここからブーツなどを取り出して、すぐさまウィンタースポーツを楽しむことができるというわけだ。しかも、帰路につく際にも、雪や泥で汚れたブーツを車内に持ち込む必要がないから実に便利とも考えられる。 いっぽう、荷台の反対側に固定されているのが、クルマがスタックしたときに用いるボード類。これも荷台からであれば素早く取り出せるうえ、使用後はそのまましまえるので、ただスタイリッシュなだけでなく、実用上のメリットは大きいといえる。 ちなみに、荷台のレイトナー製フレームやルーフ上に固定されたペリカンのストレージボックスを含め、これらのギアはいずれもサードパーティから発売されているものばかりが使われている。つまり、ショーで展示されているのはあくまでもコンセプトカーだが、自分が購入したトライトンにおなじような機能を持たせることも簡単にできてしまうのだ。 一方で、トライトンのボディを彩っている雪の模様はシルバーのフィルムに印刷したものがベースで、いわばラッピングである。しかも、そのパターンが粉雪の舞い散る様子を見事に再現しているだけでなく、部分的にUVプリントや3層クリアを用いることで立体的な表現をもたせ、リアリティを高めている点にも注目。そのほか、リヤバンパーの黒い部分にもおなじ手法を用いてサビが再現されている。最近は、ボディがさびているかのように見えるダメージデザインのラッピングが一部で注目を集めているが、トライトン・スノーシュレッダーコンセプトからも同じような魅力が感じられた。 このボディカラーは現時点ではコンセプト・レベルだが、昨年の東京オートサロン2023で展示されたコンセプトカーの「デリカミニ×コールマン」は、あまりに好評だったため、その後、実際に発売された経緯がある。したがって、トライトン・スノーシュレッダーコンセプトが今後市販される可能性もなきにしもあらずといえるだろう。 なお、今回のコンセプトカーを手がけたのは、デリカミニ×コールマンを担当したのとおなじデザイナー。2年連続の商品化を目指し「皆さんからのご意見をお待ちしております!」と、意気込む様子が印象的だった。
文・大谷達也 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)