酒田・投票所入場券の未配布、出力ミスで作成されず 市選管が説明、最大652通1443人分
先の衆院選で、酒田市西荒瀬地区などの一部で有権者に投票所入場整理券(入場券)が届いていなかった問題で、市選挙管理委員会は9日、未配布の入場券は市選管事務局の出力ミスで作成されず、発送されていなかったと明らかにした。最大で652通1443人分の出力が抜けたとみられ、確認作業も不十分だった。このうち278人が期日前を含め、入場券なしで投票していた。 市役所で同日、市選管の高橋清貴委員長と真嶌斉事務局長が記者会見を開き、説明した。入場券は市選管の事務局のプリンターで端末に入っている有権者の住所や名前などの情報を印字している。1枚のシートで2通が出力される仕組みとなっている。 今回、入場券が届いていなかった西荒瀬地区を含む第23投票区と、同市新堀地区を含む第24投票区では、計1567通の入場券が必要だったが、プリンターの記録を精査した結果、915通しか出力されていないことが分かった。こうした点から、両投票区では、652通1443人分の入場券が作成されなかったとみられる。ただ、このうち330通773人分は、郵便局から「配達すべき入場券が来ていない」などと指摘があったため、出力して作成し、投票日までに送達している。
当時、市選管事務局は兼務員らを含めた7人が入場券の準備や発送の業務を担当。入場券は必要総数の4万1983通に、通し番号を付け、発送前に職員が1通ずつ番号を含めて不備がないか確認することになっていた。ただ、このチェックは徹底されていなかったとみられ、抜け落ちたという。 投票日まで届かなかったのは西荒瀬地区の豊里、藤塚、新堀地区の木船、呉福の計322通。市選管は各作業を複数人で行い、発送前の必要通数の確認履歴を残すなど、再発防止策を講じるとしている。高橋委員長は「配達されなかった有権者に迷惑をかけ申し訳ない」と陳謝した。 ◇投票所入場整理券 各種選挙の際、市町村選挙管理委員会から有権者の世帯に郵送され、選挙日時や投票所を知らせるとともに、本人確認を円滑に行う役割がある。公選法施行令では、各選管は特別の事情がない限り、選挙の公示または告示後、できるだけ速やかに交付するよう規定されている。