ロレックスがサポートする海洋保護プロジェクト「ミッション・ブルー」の全容とは
海洋探査のパイオニアとして50年以上もの間、海洋研究の最前線に立ち続け、多くの功績を挙げてきた海洋生物学者、シルビア・アール氏。 ▶︎すべての写真を見る 女性初のナショナルジオグラフィック探検家であり、1998年にはタイム誌の「地球のヒーロー」に選出され、2014年には国連環境計画(UNEP)による「地球大賞」を受賞するなど多くの受賞歴を誇り、89歳になった現在も第一線で活躍している。 そんな彼女は世界中の海に「ホープスポット」(海洋保護区)を認定し、海洋環境保護を目指す「ミッション・ブルー」プロジェクトを2009年にスタートさせた。 ロレックスは1982年より「ロレックス テスティモニー」として彼女の活動を支援し、地球の未来を守るための環境保護の取り組み「パーペチュアル プラネット イニシアチヴ」の一環でこのプロジェクトもサポートしているのだ。
165カ所の海洋保護区域のうち3つの海を知る
創設以来、ミッション・ブルーは世界中に165カ所(2024年9月現在)の海洋保護区域「ホープスポット」を設け、それぞれが政府や公共機関、地元コミュニティと連携し海洋保護活動を続けている。日本では辺野古・大浦湾一帯がホープ・スポットに認定された。 今回はそのなかから、オーストラリア、カンボジア、インドネシアのホープ・スポットを紹介しよう。
① エクスマウス湾とニンガルーコースト~砂漠と海が出逢う場所(オーストラリア)
ユネスコ世界遺産であるニンガルーコーストには海洋生物が多数生息しているが、その生命は隣接するエクスマウス湾の生物多様性に支えられていると考えられている。このふたつの生態系がどのように繋がり、補完し合っているのかを調査し、世界に広め保護する活動が行われている。
② ケップ群島~ジュゴンへの希望(カンボジア)
底引き網漁などによって深刻な被害を受けてきた東南アジア最大規模の海草藻場では、人工岩礁を利用し修復が行われてきた。現在、この地域ではジュゴンの母子やイルカの大群などが目撃されており、生態系が急速に回復し始めている。
③ ペニダ島~サンゴの保護区(インドネシア)
全サンゴの76%以上を占める約300種のサンゴの生息地であるコーラルトライアングルの中心地、インドネシア・ペニダ島。地元コミュニティと連携し、サンゴ礁を含む海洋環境の保護と修復が実施されている。 ◇ サンゴ礁から魚、海草、マングローブまで、すべてが海と地球の健全性を維持するために欠かせないものだ。 「海がなければ、生命はない。海がなければ、私たちはいない」とシルビア・アール氏は語る。この言葉を胸に「ミッション・ブルー」とロレックスの挑戦は続く。
OCEANS編集部