バリュエーションの調整は必要だがインドの成長シナリオに変化なし=UTI(インド)の株式運用ヘッドに聞く
――過去3年ほどを振り返ると「SBI・UTIインドファンド」のトータルリターンが年率19.53%に対し、「SBI・UTIインドインフラ関連株式ファンド」は34.89%と圧倒的に優れた成績になっています。一方で、過去10年という長期でみると、「SBI・UTIインドファンド」が年率16.66%で、「SBI・UTIインドインフラ関連株式ファンド」の同13.06%を上回ります(トータルリターンの実績は2023年11月末時点)。インフラ関連に割高感があるということなので、今後の見通しでは「SBI・UTIインドファンド」の方が良いという考えですか?
はい、そうです。「SBI・UTIインドインフラ関連株式ファンド」はインフラ関連という限られた銘柄群にしか投資しませんが、「SBI・UTIインドファンド」は様々なセクターから魅力的な銘柄を選んで投資しますので、幅広い投資機会を捉えることができます。「SBI・UTIインドファンド」は、インド株投資のフラッグシップとして中長期的な成長が期待できると思います。
――近年、インド株式市場に日本を含む外国からの資金が大量に流入するようになっていますが、その関係でインドの株式市場で選好される銘柄の規模や投資スタイルなどに変化が起きていませんか?
「中小型株」については、インドの個人投資家が好んで投資しています。海外の投資家は、大型株で流動性の高い銘柄を好みますので、その点では海外投資家の参入によって市場の変化は起きつつあるのかもしれません。
ただ、現在のインド株式の保有に占める外国人投資家の比率は20%程度です。インド国内の機関投資家が16%程度、企業のオーナーや親会社、当社のような運用会社が50%程度、残る14%程度がインド国内リテールという比率になっています。
――IMFの成長率予測で、インドは2024年の成長率が6.3%(2023年10月現在、2024年1月に6.5%に上方修正)と主要国が1~2%程度の低成長が予想される中で抜きん出た成長率になっています。UTIの見通しは? そして、インド株式市場は2024年も堅調に推移すると考えますか?