青銀みち銀合併まで2カ月 石川頭取が抱負
2025年1月1日に発足する「青森みちのく銀行」の初代頭取に内定している青森銀行の石川啓太郎頭取が1日、報道各社のインタビューに応じた。2カ月後に迫る青森、みちのく2行の合併により、県内融資シェアは1行で7割超となり「県経済と新銀行が、運命共同体のようになる」と強調。「地域の発展と新銀行の持続可能性が直結する。リスクも取りながら県経済を支えていく」と新銀行のかじ取り役としての抱負を語った。 新銀行は、県内に本店がある唯一の地方銀行となる。石川氏は「1県1行となれば、採算を度外視した競争環境は脱することができるかと思う。一定の資本力と一定水準以上の収益力を確保し、地域に付加価値の高い金融サービスを提供できる」と、合併のメリットをあらためて語った。 合併で生まれる効果の一つとして人材の増強を挙げ「単独行では手をつけられなかった分野に人員を配置し、積極的にチャレンジができるようになる」と説明。新分野として県内企業の海外展開支援を例示し「県内でも海外への販路を持っている取引先がたくさんある。青銀はどちらかというと県内重視だったが、みち銀は海外展開の知見がある。うまく融和させながら、取り組んでいく必要がある」との認識を示した。 新銀行の経営戦略として「県内は、運命共同体的な私たちの営業基盤。経済合理性に基づいて単純に判断するわけにはいかない。リスクも取りながら、しっかり支える」との方針を示しつつ、「逆に県外は採算や経済合理性を意識し、他県の地銀と戦える戦略で展開しなければならない」と語った。 22年のプロクレアホールディングス発足以降は「合併を最優先に考え、本部にかなりの人的リソース(資源)を投入し、営業店の人数が少なくなっている」として、「合併後は営業店に人員を再配置し、前向きな攻めの営業を速やかに展開していきたい」と展望した。