2018年株式展望「前半強気、後半は警戒」 高値は2万5000円視野に
米国株がリスク要因
現在、日経平均採用銘柄の予想EPS(一株利益)は1511円台(12月25日時点)。これに他紙、来3月期のEPSが10%増の1660円台にアップするようであれば、予想PERが足元のレベルの15倍台であっても日経平均は2万5000円が視野に入ってくる。相場が勢いづけば、2万6000円も夢ではない。今年10月以降、売り越しスタンスにあった、需給面でのメインプレーヤーである海外投資家も買い越しに転じそうだ。 ただし、気を緩めてはならない問題が一つある。米国株の動きだ。 NYダウはリーマンショック後の09年3月に6547ドルでボトムアウトしたあと、既に8年9カ月に及ぶ長期上昇相場を形成。株価に割高感を指摘する向きは多く、相場は完全に成熟していると見ていい。したがって、米金利の上昇が進めば、株価が揺らぎ始めるリスクはある。 不安定な“熟柿”相場が嫌気されるとともに、18年11月実施の米中間選挙で共和党の苦戦観測が広がるとトランプ政権の運営にも翳(かげ)りが生じるため、それを先取る格好で18年半ば以降、米国株は高値波乱となり、その影響で日本株も調整局面にシフトするだろう。 2018年は「前半が強気、しかし後半は警戒」というスタンスで臨みたい。年前半に注目されるセクターの代表格は、出遅れの銀行だ。 (証券ジャーナリスト・駿河一平)