成田空港、24年度訪日客1.3倍2310万人 中経目標見直し
成田空港を運営する成田国際空港会社(NAA)は5月30日、2022-2024年度中期経営計画「Restart NRT」の経営目標となる航空取扱量を見直した。最終年度となる2024年度は、国際線旅客が旺盛な訪日需要で想定を上回る反面、国内線は主力となるLCCの機材計画見直しなどにより下回る見通し。 年間の国際線と国内線を合わせた総旅客数は、従来の3900万人から3990万人に見直した。内訳は国際線が3210万人(従来3000万人)、うち通過客を含む外国人が2310万人(同1800万人)、国内線が780万人(同900万人)で、国際線の外国人客を従来より1.3倍近く引き上げた一方、国内線旅客数は13.4%引き下げた。 また、国際貨物量は計画策定当時に発生していた海上輸送の混乱による航空貨物の特需が正常化したことなどから想定を下回るとして、従来の240万トンから190万トンに引き下げた。 総発着回数は航空貨物特需の正常化や、国内線LCCの機材計画見直しにより、従来の27万回から25.1万回に下方修正した。このうち国際線が19.7万回(従来21万回)、国内線5.4万回(同6万回)で、旅客便の発着回数に占めるLCCの割合「LCCシェア」は47%(同40%)を想定している。 2023年度(24年3月期)は、総発着回数が前年度比23.6%増の21万9000回、総旅客数は71.9%増の3525万人、国際貨物量は16.0%減の184万トン。総発着回数は3年連続で前年度を上回り、総旅客数も3年連続の前年度超えとなった。 国内のLCC各社は、旅客需要が国内線よりも国際線が急回復していることから、リソースを国際線にシフトしている。 また、2023年度は空港のグランドハンドリング業務の中でも、特に航空機の牽引や貨物の搭降載などを担うランプハンドリングの人手不足が課題となり、海外の航空会社からの就航や増便の要望に応じきれない事態が発生する曲面があった。NAAの田村明比古社長は「ハンドリング会社のマッチングを行ったことで、ほぼ応需している。ギリギリのところで回避できた」と述べ、現状は航空会社の要望に応じられているという。 国際貨物量は「このところ前年同月を下回っていたが、4月は26カ月ぶりに増加した。底を打って回復してきていると見ている」(田村社長)との見方を示した。
Tadayuki YOSHIKAWA