黒田征太郎・アメリカ村発バンドのジャケットをライブで制作
黒田征太郎・アメリカ村発若手バンドのジャケットをライブで制作 レポーター:岡本ゆか 撮影・編集:柳曽文隆 THEPAGE大阪
大阪の若手バンドが世界的な画家の心を動かした──。大阪・アメリカ村(通称・アメ村)を拠点とするバンド「愛はズボーン」が28日夜、同市中央区の心斎橋BIGSTEPでライブを実施。ライブには大阪出身で世界で活躍する画家、黒田征太郎も登場し、愛はズボーンの演奏に合わせ何枚もの絵を描くというものだった。そして、その絵は彼らの1stアルバムのジャケットになるという。このきっかけは、アメ村での偶然の出会いが始まりだった。
黒田と出会い「初恋みたいなどうしようもない気持ちに」
「バンドのメンバーが黒田さんのギャラリーで黒田さん本人と出会って、今回のコラボが実現したんです」と話すのは愛はズボーンの広報担当者。同バンドのボーカル、儀間建太がBIGSTEPの地下にあるギャラリー兼アトリエ「KAKIBA描場」に1年ほど通い、黒田の作品の数々を目にしてとりこになったという。そして、3週間ほど前に偶然、黒田本人と出会った。 黒田は自分の拠点であるアメ村を象徴する鳥人の壁画「PEACE ON EARTH」を手がけたほか、数々の作品を国内外で発表する画家。 儀間はそんな黒田と会った瞬間「もう初恋みたいな、どうしようもない気持ちが出てきて、黒田さんの目を見て『アルバムのジャケット書いてください』と言っちゃった。その瞬間、周囲が『コイツなに言ってんねん』という雰囲気になって、自分も『言ってしまった』って感じだったんですけど、征太郎さんは『よし、やろう』と言ってくれたんです」と、うれしそうに経緯を話す。
根回しとかじゃなくて、いちばん正しい出会い
一方の黒田はこの出会いについて「いちばん正しい出会いですよ」と語る。「いまこういうのないでしょ。根回ししたりじゃなくて、そういうのは嫌いなんで。いちばん正しい出会いだったんですよ」と当時を振り返る。 今回、そのジャケット制作をアトリエの真上にあるBIGSTEPの階段でのライブで、音楽に合わせながら作ることになった。黒田自身もアーティストとこうした活動を行っており「音を聴くと体が動いてしまう。気がついたらいろんなミュージシャンの人とやっていて」と話す。そして「最大の目的は、この人たちが出されるCDが評判良かったらうれしいな」と続けた。