【Q5】薄毛は遺伝が8割。残りの2割は生活習慣で改善できる?
先生 カラーやパーマのあとに、痒みや赤みなどが起きるなら問題ですが、トラブルが起きていない限りは基本的に影響はないですね。パーマやカラーによって、髪が傷んだり切れやすくはなりますが、新しく生えてくる毛には関係ありません。 ── 薄毛には海藻がいいと聞きますが、本当ですか? 先生 これは都市伝説。単なるイメージだと思います。ただ海藻類には現代人に不足しがちなミネラルが豊富に含まれているので、積極的に摂るのは薄毛だけではなく、健康全般にいいことです。 ── 薄毛にオススメのサプリメントはありますか? 先生 薄毛の予防に目覚ましい効果を生む特定の栄養素やサプリメントは、今のところ見つかっていません。しかし、亜鉛不足で脱毛が起こる「亜鉛欠乏性脱毛症」という症状があるので、亜鉛はオススメできます。ただし摂りすぎはミネラルの吸収率を下げ、髪に必要な栄養素が行き渡りにくくなるので注意が必要です。
もう1つ挙げるなら、ノコギリヤシのサプリです。薄毛の治療薬「フィナステリド」と同じような効能をもっている天然の成分。薬ではないので「これだけ薄毛が抑えられました」というデータはありませんが、薄毛改善のサプリメントとして、各社から販売されています。薬には抵抗があるという方にもいいと思います。
● 小山太郎(こやま・たろう)
Dクリニック東京 院長。医学博士/日本抗加齢医学会専門医/日本臨床毛髪学会評議委員/日本メンズヘルス医学会幹事/テストステロン治療認定医/NPO法人フューチャー・メディカル・ラボラトリー理事。慶應義塾大学の大学院で骨格筋の再生医療の研究、Brigham and Women's Hospital(Harvard Medical School)で創傷治癒の遺伝子治療の研究に従事。2010年にDクリニック東京(旧城西クリニック)に入職してからは、10年以上に渡ってAGA治療の実績を積み上げている。現在は診療の傍ら毛髪の研究に取り組んでおり、最新の知見に基づいた診療を心がけている。
イラスト/STOMACHACHE. 文/大塚綾子 編集/菊地奈緒(Web LEON)