マンハッタンのアパート賃料、5月予想外の下落-新規契約件数は増加
(ブルームバーグ): ニューヨーク市マンハッタンのアパート賃料は5月、予想外に下落した。繁忙期を控え「横ばい」の動きとなった。
不動産鑑定会社のミラー・サミュエルと仲介会社のダグラス・エリマン・リアル・エステートによると、5月に新規契約された賃貸料の中央値は4250ドル(約66万7000円)で、前年同月から3.3%下がった。ただ、5月としては依然として過去2番目の高水準で、前月との比較では横ばい。
通常、7、8月のピーク時に向けて市場は物件を巡る競争が激化するため、賃料は春を通して上昇する傾向にある。だが、5月の動きは2023年後半からのパターンの延長線上にあり、賃料は過去最高の4400ドルを下回って推移している。
ただ、市場は活気を増してきている。5月のマンハッタンの新規契約件数は7085件と、前年同月から41%近く増加。一方で賃貸物件在庫も約28%増加したことで、賃料が抑えられることになっている。
ミラー・サミュエルのジョナサン・ミラー社長は、米連邦準備制度が予想より早く利下げを行わない限り、マンハッタンの賃貸市場は現在のような展開が夏まで続くと予想され、学生や新卒者、家族連れなどが9月初頭までに住まいを確保しようすることで家賃はわずかに上昇するだろうと指摘。「家賃が急騰することはないだろうが、大きく調整するとも思わない」と語った。
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地区別ではブルックリンが活況で、5月の新規契約件数は4341件と前年同月から161%近く増加し過去最高。新規契約の家賃中央値は3600ドルで、5月としては過去最高だった。
クイーンズ地区でも新規契約件数は113%増の811件と過去最高。ただ、家賃中央値は0.1%下落し3400ドルだった。
原題:Manhattan Apartment Rents Drop Even as Leasing Activity Picks Up(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Jennifer Epstein