能登は負けない 復興誓う巣立ち 県立高校で卒業式
能登半島地震の発生から2カ月となった1日、石川県立の全日制39校、定時制5校の高校が一斉に卒業式を行い、生徒たちは困難の中で迎えた晴れの日を喜んだ。校舎が被災し、場所を変更するなどして式を行った被災地の高校では、卒業生が「能登は決して負けない」と力強く語り、復興への決意と希望を胸に巣立った。 校舎が甚大な被害に見舞われた穴水高の卒業式は穴水町穴水中で行われ、卒業生34人が晴れやかな表情で入場し、保護者や教員、在校生が拍手で迎えた。 島崎康一校長が式辞、吉村光輝町長らが祝辞を贈り、2年の古道慶太さんが「苦難を乗り越えた行動力があれば向かい風を追い風にできる」と送辞を述べた。 答辞では卒業生代表の松村光流さんが「穴高祭」やコロナ下での学校生活を振り返った。能登半島地震を経験し「能登の復興のために立ち上がろうと心に刻んだことは、これから社会の荒波の中に出ていく上でとても大切な試練だった」とし、「能登は決して負けません」と締めくくった。 卒業生の赤坂美沙子さんは「一番つらい時期を乗り越えられたのでこれからも大丈夫だと思う。みんなと一緒に卒業できて良かった」と笑顔で話した。保護者として出席した山崎吉宏さん(52)は「卒業生みんなで助け合って能登の復興に向けて頑張ってほしい」とエールを送った。 県立高では穴水のほか、羽咋、田鶴浜、輪島、飯田の計5校が地震の影響で卒業式の場所を変更した。約6千人が巣立ちの日を迎えた。